Xリーグ史上最高の激戦

社会人アメリカンフットボールXリーグは10月29、30日にリーグ戦最終第6節を迎える。好ゲームを創出するために、実力の拮抗したチーム同士の対戦を組み、スケジュールストレングスを盛り込んだ新リーグ戦方式の採用によって、Xリーグ体制となった1996年以来、史上最高と言っても過言ではない熾烈な展開になっている。

第5節終了時点で11月12日から始まるJXBトーナメント(以下JXBT)進出が決定しているのは、全勝の富士通フロンティアーズとオービックシーガルズ、1敗のパナソニックインパルスとLIXILディアーズの4チームのみ。

3勝2敗のチームはなく、エレコム神戸ファイニーズ、IBMビッグブルー、アサヒ飲料クラブチャレンジャーズ、アサヒビールシルバースターの4チームが2勝3敗で並んでいるが、対戦相手の勝ち星数によって、5位エレコム神戸、6位IBM、7位アサヒ飲料、8位アサヒビールの順列になっている。

この4チームの内、IBMとアサヒ飲料は最終節で直接対戦が組まれているため、3勝する可能性があるのは3チームのみ。つまり、第6節の戦いに勝利すれば7位以上が決定する。

IBMとアサヒ飲料の一戦は文字通り生き残りを懸けた戦いだ。

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IBMビッグブルーRB10末吉智一

IBM RB末吉の進化

IBMは第4節のLIXILに48対52、第5節のオービックに延長タイブレークの末に1点差(23対24)の敗戦と、上位陣と紙一重の戦いを繰り広げてきた。

高得点力を持つ攻撃が看板だが、今季はRB末吉智一のランが好調。第5節終了時点で52回走364ヤード6TDの成績は、Super9所属チームの中で1位。Battle9を含めた全体でも3位の好走だ。

重量級でありながらスピードも併せ持つ好RBとして、早稲田大学高等学院時代から注目されてきた。早稲田大3年時の2010年には、リーグ戦7試合で102回走1061ヤード17TDを挙げて、優秀なランナーの称号である『1000ヤードラッシャー』になった。4年時の2011年にはこの年にオーストリアで開催された第4回世界選手権の日本代表に招集され、開幕のオーストリア戦で先制TDを挙げるなど、Xリーグのトップ選手たちで構成されている日本代表の中に入っても、遜色ない活躍をしてみせた。

社会人5年目の今季は走り方を変えた。昨年まではタックラーのヒットをどうやって受け流し、いかにすり抜けるかに意識を割いていたという。しかし、今年はタックラーの体の芯に自らヒットしに行き『当たり勝つ』という意識を持つようになった。

「昨年までは綺麗に走ることを考えていましたが、今年は相手に関係なく、自分の感覚で力強く、速く走れているかに意識を割いています」と、末吉は言う。

思考の変化によって、無駄なステップが減り、より直線的に前進できるようになった。また、177センチ90キロという日本人RBとしては恵まれた体躯のアドバンテージを、より生かすことができるようになった。

10月30日、エキスポフラッシュフィールドで対戦するアサヒ飲料とは昨年も対戦し37対20で勝利しているが、末吉のランは6回34ヤード0TDに終わっている。

進化した末吉が粘り強いアサヒ飲料守備に対してどんな走りを見せるのか。勝敗を左右するポイントとしても注目だ。

ノジマ相模原ライズRB25東松瑛介、QB98デビン・ガードナー

地元で逆転トーナメント進出を狙うノジマ相模原

Super9リーグ戦最下位はJXBTへの進出権を自動的に失う。5節終了時点での最下位は1勝4敗のノジマ相模原ライズだが、10月30日の富士通フロンティアーズ戦に勝利し2勝4敗にすることができれば逆転トーナメント進出の可能性は残されている。

勝ち星が同じ場合、順位は

1・当該チーム間の直接対決勝敗

2・当該チームの対戦相手の勝ち星数の合計

3・当該チームが勝利した対戦相手の勝ち星数の合計

4・抽選(レギュラーシーズン終了後に実施)

の比較基準が順番に適用される。

現在、2勝3敗の4チームの中でノジマ相模原が直接対戦したのはアサヒビールのみ(●26対29)。仮にアサヒビールと勝ち星数が同じになった場合、ノジマ相模原が上回ることができない。しかし、直接対戦がない他の3チームとの争いになれば『対戦相手の勝ち星の数』が適用される。

現在、ノジマ相模原の対戦相手の勝利数の和は23ポイント。5節終了時点で16ポイントのアサヒ飲料が、最終節で獲得できる対戦相手の勝利数の数は最大5ポイント(※)のため、現時点でノジマ相模原ライズのポイントに及ばない。

現時点で21ポイントのエレコム神戸、18ポイントのIBMについても、これまでの対戦チームの第6節の結果によっては上回れる可能性がある。

ノジマ相模原が勝たなければならない富士通は、5節時点の1位。形式上は首位と最下位の戦いだが、ノジマ相模原はすでにJXBT進出を決めているオービックとは1点差、LIXILとは同点タイブレーク、パナソニックでも7点差と、どちらが勝利してもおかしくない対等な戦いができる力を持っている。

シーズン序盤は周囲とのコミュニケーションも発展途上だったQBデビン・ガードナーとWRジェレミー・ギャロンのミシガン大コンビの融合もシーズンの深まりと共に進んでいる。勝利という結果は残っていないものの「攻撃力は試合毎に上がっている」と、須永恭通ヘッドコーチも手応えを感じている。

10月30日、ノジマ相模原が地元、相模原市のギオンスタジアムに富士通を迎える一戦は、好ゲームが目白押しだった今リーグ戦を象徴するスリリングな試合が期待できそうだ。

(※)アサヒ飲料と対戦したオービックとエレコム神戸の対戦6節にあるため

 

第6節の注目ゲーム

10月30日(日)                アサヒ飲料クラブチャレンジャーズ×IBMビッグブルー           EXPO FLASH FIELD

10月30日(日)                ノジマ相模原ライズ×富士通フロンティアーズ            相模原ギオンスタジアム