「三菱 全日本テニス選手権91st」(本戦10月22~30日/2846万円/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/ハードコート)の本戦6日目は、男子シングルス3回戦と女子シングルス準々決勝、男女ダブルスと混合ダブ…

 「三菱 全日本テニス選手権91st」(本戦10月22~30日/2846万円/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/ハードコート)の本戦6日目は、男子シングルス3回戦と女子シングルス準々決勝、男女ダブルスと混合ダブルスの準々決勝が行われた。

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 第3シードの大前綾希子(島津製作所)と第10シードの鮎川真奈(橋本総業ホールディングス)の女子シングルス準々決勝は2時間45分におよぶ熱戦となった。

 第1セットを鮎川が6-3で奪えば、第2セットは大前が6-3で奪い返す。もつれ込んだファイナルセットは1-1から鮎川が一気の4ゲーム連取で5-1とリードを広げた。

 しかし、大前は冷静だった。「もう一回、落ち着いて、やるべきことをやろうと思った」。3-5と追い上げた第8ゲームでは3度のマッチポイントを握られたが、ことごとくしのいでみせた。最後はタイブレークを7-1でものにし、逆転勝利を飾った。

 大前らしい試合だった。最後まであきらめず粘り強く戦う。「初めてついた第3シード。勝ちたい気持ちと守りたい気持ちがあった」と告白する。ファイナルセットで大きく引き離されたのは、それが原因だろう。だが、ピンチをチャンスに変え、ラケットを振り抜いて勝利を手繰り寄せた。

 全日本は初の4強。「次からは挑戦者の気持ちで戦える」と大前。明日の準決勝の相手は第2シードの加藤未唯(佐川印刷)。加藤は予選から勝ち進んだ馬場早莉(フリー)を6-1 6-3のストレートで封じての準決勝進出だ。

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 第12シードの今西美晴(島津製作所)と第14シードの喜島瑞乃(フリー)の準々決勝は7-6(6) 4-6 6-1で今西が逃げきり、準優勝した2013年以来、3年ぶりのベスト4入りを果たした。

 喜島の武器のフォアハンドに手を焼いた。今西がコートを走り回り、懸命に返球するシーンが目立つ。だが、しっかりと返球することで喜島にも重圧がかかった。第1セットは2-5とリードされたが、5-5に追いつき、タイブレークを制して今西が先取した。

 第2セットは喜島のペースだった。今西が2-0とするが、あとがない喜島が4ゲーム連取で4-2と逆転。あとはサービスをキープして6-4で奪い返した。

 ファイナルセットももつれる展開が予想されたが、喜島のミスが早くなった。今西は我慢のテニスで着々とポイントを重ね、6-1で決着をつけた。最後は今西の経験、試合運びの巧さが目立った。

 

 「持ち味でもある早い展開のプレーができなかった」と今西。満足のいくプレーではなかったが、「勝ちにつなげることができてよかった」と安堵の表情を見せた。「ファイナルセットは落ち着いて戦うことができて、相手のミスも早くなった」と勝因を口にした。

接戦を制して4強入りの今西

 準決勝の相手は第1シードの桑田寛子(島津製作所)。同じ所属先の2年先輩だ。「勝っても負けても自分のプレーを貫きたい」と今西が言う。「早いテンポでラリーを支配できればチャンスはあると思う」と力強く語った。

 桑田は第11シードの二宮真琴(橋本総業ホールディングス)を6-4 6-3で下しての準決勝進出。パワフルな二宮のストロークをしっかりと受け止め、そして切り返した。第1シードの重圧について聞くと「まったくないです」。2連覇まで、あと2勝に迫った。

 女子ダブルス準々決勝は2試合が行われ、第4シードの今西/大前と第5シードの瀬間詠里花(橋本総業ホールディングス)/藤原里華(北日本物産)が勝利し、準決勝に駒を進めた。

 混合ダブルスも準々決勝2試合が行われ、第1シードの綿貫裕介(橋本総業ホールディングス)/二宮と守谷総一郎(MTSテニスアリーナ三鷹)/加治遥(園田学園女子大学)が勝利し、準決勝に進んだ。

(テニスマガジン/編集部◎牧野 正)