スポルティーバ厳選!高校野球 47都道府県の注目選手石川編 新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される…
スポルティーバ厳選!
高校野球 47都道府県の注目選手
石川編
新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校選手権大会」が中止となり、その代わりに、各都道府県は独自の代替大会を開く。石川では県独自の代替大会「県高校野球大会」を開催。7月11日から始まる地区予選を経て、23日から県内26チームがトーナメント形式で激突する。白熱の試合が期待される中、注目選手を紹介する。
石川県内では2017年秋から無敵の星稜が、今夏も注目される。
1年夏から星稜の中軸を担う内山壮真
1年生の夏からレギュラーで、昨秋、遊撃手から捕手に転向した内山壮真(そうま)は、細身ながらシャープなスイングで長打を飛ばす中距離右打者だ。中学時代は捕手として日本代表に選出され、リードのうまさと状況判断の鋭さを当時から星稜の林和成監督が絶賛していたほど。経験値の高さは県内、いや全国でもトップクラスだろう。
バッテリーを組む右腕・荻原吟哉(ぎんや)は昨夏の甲子園マウンドで快投を見せたが、今年、エース番号を背負ってさらに存在感を増した。三振の山を築いた前エースの奥川恭伸(現・ヤクルト)とタイプは異なり、荻原はキレのある変化球を低めに集め、打たせて取るピッチングが持ち味だ。
2年夏の甲子園で143キロをマークした右腕・寺西成騎(なるき)は伸び悩んだ時期を経て、速球派からコントロール重視へ切り替えたことでピッチングが安定。昨秋北信越大会の準々決勝・敦賀戦では7回14奪三振の快投を演じ、決勝の日本航空石川戦でも8回1失点と好投した。
2年春から甲子園に出場している不動の3番打者・知田爽汰(ちだ・そうた)や、昨夏の甲子園の準々決勝・仙台育英戦で7打点を記録した長距離砲・今井秀輔にも期待が掛かる。また、俊足が武器で一発もある左打者の花牟礼優(はなむれ・ゆう)、2年生ながらパンチ力と勝負強さが光る両打ちの中田達也と、昨夏の甲子園準優勝メンバーにも負けない豪華な顔ぶれだ。
注目選手が目白押しの星稜に待ったをかけるチームはどこになるのか。まずは日本航空石川を挙げたい。昨秋の県大会、北信越大会ではいずれも星稜に大敗したが、チーム・選手は確実にレベルアップしている。
入学時から注目の的だった右腕・嘉手刈浩太(かてかる・こうた)は身長190センチ、体重105キロの大きな体を生かした力強い速球が持ち味で、最速は147キロ。昨秋の北信越大会は右ヒジの状態が思わしくなく、主に三塁手として出場。登板はなかったが、冬場にピッチングを再開し、球速、球質ともにレベルを高めた。嘉手刈の好調ぶりに、中村隆監督は「夏には150キロが出るかもしれない」と絶賛した。
昨秋の北信越大会はエース番号を背負った田中颯希(さつき)も右の本格派で、練習時から常にストライク先行のピッチングを意識するようになり、大崩れしにくくなった。主将で2番左打者の井口太陽は出塁率が高いチャンスメーカー。巧打の毛利水樹、俊足の石井幸希らしぶとい打者も多い。
リベンジに燃えているのは、遊学館も同じだろう。昨夏の県大会では1対2の接戦で、秋は大差で星稜に敗れ、「今度こそ」という思いは強い。
中学時代は全国大会で無安打無得点を達成し、1年秋からエースを務めてきた右腕・高田竜星が雪辱に燃える。昨夏はリリーフで星稜戦に登板し、6回1/3を投げて1安打無失点と好投。自信を高めて秋の星稜戦に臨んだが、力みからリズムを乱し、7四死球を与えるなどして3回1/3を投げて6失点で降板した。冬にフォーム見直しと体重増量に努力し、制球も徐々に安定。春にはスピードを意識せずに力まずに投げることで球の走りもよくなった。
攻守にまとまる右投げ左打ちの寺田敦が攻撃のキーマン。また、投手としての資質も高く、2年生ながら主砲を務める土倉瑠衣斗(るいと)や、土倉と同じく昨夏からレギュラーで2年の正捕手・新保朋也ら下級生にも好素材が多い。
昨秋の北信越大会に出場した金沢商は、エース右腕の米沢拓海の出来がカギを握る。身長180センチ、体重60キロ台と細身だが、伸びのあるストレートと緩いカーブを織り交ぜる。昨秋の県大会準決勝では星稜打線を8回まで無失点に抑える好投を見せた。気持ちで押すピッチングが持ち味の右腕・甲斐舜一郎との2枚看板で、今夏も上位進出を狙う。
昨秋4位の津幡(つばた)には、エースで4番の森林秀匡(ひでただ)、仙石力也の2年生右腕コンビに期待が掛かる。
昨夏準優勝の小松大谷は、走攻守三拍子揃った右投げ左打ちの中津大和が打線を引っ張る。ミートがうまく、広角に打ち分ける技術に長ける。近年、やや元気のない金沢だが、好右腕・小寺啓太が持ち前の高い制球力でチームに勢いをつけられるか注目だ。小松は高校通算30本塁打を超える左のスラッガー・田西誓(たさい・ちか)のスイングの強さが際立つ。寺井には巧打者・荒木駿之介がいる。