トップ8によるエリート大会「WTAファイナルズ」(10月23~30日/シンガポール/賞金総額700万ドル/室内ハードコート)のラウンドロビン(ホワイトグループの2対戦目)で、第8シードのスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)が第4シードの…

 トップ8によるエリート大会「WTAファイナルズ」(10月23~30日/シンガポール/賞金総額700万ドル/室内ハードコート)のラウンドロビン(ホワイトグループの2対戦目)で、第8シードのスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)が第4シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)を3-6 6-2 7-6(6)で倒して準決勝に進出した。クズネツォワは4度目のマッチポイントを決めるとコートに倒れ込み、笑顔を見せた。

 「観客の後押しがあったから、その期待を裏切るわけにはいかなかった。戦うしかなかったの」と今季3セットをプレーした試合で22勝8敗と、もっとも多くの勝利を挙げているクズネツォワは言った。

 この日の第2試合では、ディフェンディング・チャンピオンで第2シードのアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)が第5シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)を7-6(1) 6-3で倒した。この時点でクズネツォワの勝ち抜けが決まった。

 クズネツォワは過去に5度WTAファイナルズに出場しているが、ラウンドロビンを勝ち抜いたことは一度もなかった。

 ムグルッサは0勝2敗となり、すでに敗退が決定。クズネツォワのほかにもうひとり準決勝に進めるのは、金曜日に行われるラドバンスカ(1勝1敗)とプリスコバ(1勝1敗)の勝者となる。

 一方、レッドグループは第1シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)が2勝0敗、第2シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)と第6シードのマディソン・キーズ(アメリカ)が1勝1敗、第7シードのドミニカ・チブルコバ(スロバキア)が0勝2敗となっており、木曜日に行われる試合で準決勝に進む2人が決まる。

 クズネツォワは第3セットで5-3とリードしてサービング・フォー・ザ・マッチを迎えたが、タイブレークになるまでマッチポイントをつかめなかった。プリスコバも6-5でサービスゲームのチャンスがあったが、彼女もこれを生かせなかった。

 クズネツォワがトップ10入りしたのは、2009年にWTAファイナルズに進出して以来のこと。2度グランドスラムを制したことのあるクズネツォワは今年再浮上できた大きな要因を聞かれると、「私の心よ。私はただテニスが好きなだけ。ここ数年間は自分のベストのプレーを見せられなかったけど、でも今年、何かが変わり、今はゲームを楽しむことができている」。

 クズネツォワは土曜日に、今季最後のツアー大会であるモスクワで優勝してWTAファイナルズの最後の一席を確保した。その後、すぐにシンガポールに移動して月曜日にラドバンスカと対戦し、マッチポイントを握られながら挽回勝ちした。その試合の最中に彼女は、ボールを打つときに髪が顔にあたるのを気にして自身で髪を切り落としている。

 もしも、彼女のこの一週間を映画化するなら…「Life of a hustler(詐欺師の人生)」か「Workaholik(仕事中毒の人)」のタイトルをおすすめしたいと言っている。(C)AP