明治安田生命J1リーグ第3節、ベガルタ仙台vs浦和レッズが8日にユアテックスタジアム仙台で行われ、アウェイの浦和が2-1で勝利した。 4カ月ぶりの再開となった前節、湘南ベルマーレ相手に木山体制初白星を飾った仙台は開幕2戦無敗と好調を維持。連…

明治安田生命J1リーグ第3節、ベガルタ仙台vs浦和レッズが8日にユアテックスタジアム仙台で行われ、アウェイの浦和が2-1で勝利した。

4カ月ぶりの再開となった前節、湘南ベルマーレ相手に木山体制初白星を飾った仙台は開幕2戦無敗と好調を維持。連勝を目指す今節は中3日の過密日程を考慮し、吉野、椎橋、関口を除くフィールドプレーヤー7選手を変更。前線では加入後初先発となるアレクサンドレ・ゲデスが赤崎、山田と共に3トップを形成した。

一方、横浜F・マリノスとの再開初戦をゴールレスドローで終えた浦和は、今季の公式戦開幕戦となったルヴァンカップで5-2の大勝を飾った相手に再開後初白星を目指す。スタメンの変更は3選手に留め、興梠、青木、長澤に代えてファブリシオ、レオナルド、柏木を起用し、より攻撃的な布陣で臨んだ。

開始直後に汰木の左クロスから杉本がいきなりヘディングシュートを枠に飛ばすなど、激しい打ち合いとなった前回対戦同様にオープンな展開を予感させる入りとなる。

しかし、以降は球際の勝負、狙いを持った好守で流れを掴んだ仙台が、左サイドの柳、ゲデスを起点に幾つもの決定機を創出していく。9分と10分にはその左サイドからのお膳立てからボックス内の山田に続けて決定機が訪れるが、DF岩波の見事なシュートブロックに遭うなど、最初のチャンスをモノにできない。

その後も仙台はビルドアップの局面でミスが目立つ浦和を相手に効果的なカウンターを繰り出していくが、赤崎らが最後の場面で精度を欠き仕留め切れない。

すると、飲水タイムによる中断をキッカケに修正を施した浦和が徐々に盛り返していく。序盤はほぼボールに触れなかったレオナルドと杉本にボールが入り始めると、フィニッシュのシーンが増えていくが、DF吉野を中心に集中した対応を見せるホームチームを崩し切るまでには至らず。

しかし、ゴールレスでハーフタイム突入と思われた前半アディショナルタイムに浦和の助っ人ストライカーが個人技でゴールをこじ開ける。46分、左サイド深くで山中が上げたクロスに反応したレオナルドがDF金正也を背負いながらも、見事な左足のシュートをゴール右サイドネットへ流し込んだ。

ルヴァンカップの前回対戦で2点を決められたレオナルドに一瞬の隙を突かれ、ビハインドで試合を折り返した仙台は浜崎に代えて佐々木をハーフタイム明けに投入。すると、後半最初の決定機で追いつく。49分、左サイドに流れて関口からパスを受けた赤崎がカットインを匂わせながら意表を突く左足のクロス。GKとDFの間を射抜くスーパーなクロスにファーサイドで反応した山田が丁寧な右足のワンタッチで流し込んだ。

この同点ゴールをキッカケに試合は再び一進一退の攻防に。55分に山中のクロスからレオナルドが惜しいヘディングシュートを放てば、60分には関口の粘りからハーフウェイライン付近でDFトーマス・デンと入れ替わったゲデスが相手陣内を独走。ボックス内でGKと一対一の絶好機を迎えるが、自ら打たずに後方から走り込んできた赤崎へのマイナスのパスという消極的な選択はDFの戻りに阻まれた。

その後、60分を過ぎて両ベンチが動く。ホームの仙台はゲデス、山田、赤崎に代えてジャーメイン良、西村、長澤駿と3トップをそっくり入れ替える。対する浦和は柏木、ファブリシオに代えて長澤和、マルティノス。杉本に代えて仙台キラーの興梠をピッチに送り込む。65分にはボックス右でパスを受けたマルティノスが左足のコントロールシュートをゴール左隅に飛ばすが、18歳の若き守護神・小畑がビッグセーブで阻止した。

その後、約10分を残して互いに5枚の交代カードを使い切った総力戦に決着を付けたのは、浦和の頼れるエースストライカーだった。83分、ボックス左でDF2枚を引き付けた関根からの折り返しをレオナルドがワンタッチでボックス中央の興梠の足元へ付ける。すると、巧みなターンでDFを剥がしシュートコースを作った興梠が左足のシュートをゴール右隅へ流し込んだ。

そして、興梠の浦和での通算100ゴール目となるメモリアルゴールで勝ち越したアウェイチームは、このまま仙台の反撃をしのぎ切って2-1のスコアで逃げ切りに成功。

新旧・仙台キラーが違いを生み厳しいゲームをモノにした浦和は、再開後初白星を挙げると共に開幕3戦無敗とした。一方、善戦も決定力の差が勝敗を分ける形となった仙台は、今季初のホームゲームで初黒星を喫することになった。