10月28日からメキシコ・モンテレイで「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」が開幕する。侍ジャパンU-23代表は千葉県内で合宿を打ち上げ、戦いの地へと移動。巨人の斎藤雅樹2軍監督がチームを率い、中日・大塚晶文2軍投手コーチ、オリックス…

10月28日からメキシコ・モンテレイで「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」が開幕する。侍ジャパンU-23代表は千葉県内で合宿を打ち上げ、戦いの地へと移動。巨人の斎藤雅樹2軍監督がチームを率い、中日・大塚晶文2軍投手コーチ、オリックス・三輪隆2軍育成コーチ、アマチュアからは社会人・ホンダ前監督で、侍ジャパン社会人代表監督の安藤強氏がコーチとして日の丸を背負う。

■2年前のU-21W杯では準優勝、当時のメンバーが所属チームでも徐々に頭角現す

 10月28日からメキシコ・モンテレイで「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」が開幕する。侍ジャパンU-23代表は千葉県内で合宿を打ち上げ、戦いの地へと移動。巨人の斎藤雅樹2軍監督がチームを率い、中日・大塚晶文2軍投手コーチ、オリックス・三輪隆2軍育成コーチ、アマチュアからは社会人・ホンダ前監督で、侍ジャパン社会人代表監督の安藤強氏がコーチとして日の丸を背負う。

 この大会は2年前に台湾で行われ、日本が準優勝したU-21ワールドカップからカテゴリー変更となり開催される。前回は1次ラウンド、2次ラウンドを通して通算7勝0敗といずれも1位通過。しかし迎えた決勝では2位の台湾に0-9で敗れた。当時のメンバーはこの大会から飛躍を果たした。

 筆頭は広島の鈴木誠也。当時は外野手としてベストナイン、首位打者に輝いた。その他にも巨人・田口麗斗や日本ハムの近藤健介、阪神の北條史也、オリックスの若月健矢など、当時無名ながら今では1軍に定着した選手が揃っていた。今回のメンバーでも楽天の三好匠、オリックス・武田健吾は2大会連続で選出。リーダーとしての役割も期待されている。優勝した台湾チームには西武・郭俊麟投手がプレー。日本チームも決勝で7回無失点に抑えられた。前回のように、今大会のメンバーもさらなる飛躍が期待される。

 当時の首脳陣の編成は、監督は阪神・平田勝男氏。投手担当が巨人の豊田清コーチ。NPBからはその2名が加わり、ヘッドコーチは元三菱重工長崎監督で、大学や社会人の日本代表監督の経験もある小島啓民氏が務めた。また、守備走塁コーチには国学院大監督・鳥山泰孝氏が就任した。

 選手、指導者ともにプロ・アマ混合の編成。そこには日本の野球界発展への期待感がある。

■2年前のメンバーにはその後のドラフトで上位指名を受けた選手も

 日本の野球界ではプロ経験者がアマチュアに野球の技術指導を行うことが協定で禁止されているが、代表チームはそれが唯一許される貴重な場。アマチュア選手が、プロの選手の技術、考え方を学ぶことができる。

 2年前のメンバーでアマチュアからプロ入りを果たしたのは、桜井俊貴(立命館大-巨人)、熊原健人(仙台大-DeNA)、柴田竜拓(国学院大-DeNA)の当時3年生の選手や社会人1年目だった山岡泰輔(東京ガス-オリックス)。彼らは国際大会も貴重な経験となり、その後のドラフトで上位指名を受けるまでになった。また、ドラフトで指名を受けた後ではあるが、横山雄哉(新日鉄住金鹿島-阪神)、野村亮介(三菱日立パワーシステムズ-中日)なども選出されていた。彼らはプロの指導を受けて成長。この“接点”が選手たちの野球人生に少なからず影響を与えていた。

 アマチュア選手はプロに貪欲に質問し、技術指導やメンタル面のアドバイスも受けた。今回は1軍投手コーチを歴任するなど豊富な経験を持つ斎藤監督、日本だけでなく、メジャーリーグを経験、そしてWBCでクローザーを務めた大塚氏の指導力も注目。オリックスや楽天でコーチを務めた三輪氏は1992年バルセロナ五輪の経験があるため、国際試合を戦う上で心強い存在になる。

 プロ選手には次世代の侍入りへの経験、アマ選手にはプロへ一歩でも近づくための絶好の機会となる。若き侍戦士たちには日本球界の未来を明るく照らすような戦いを期待したい。