トリックショットで、ダスティン・ブラウン(ドイツ)の右に出る選手はそういない。だがエリオット・べンシェトリ(フランス)は、現在開催中のエキシビション大会「アルティメット・テニス・ショーダウン」…

トリックショットで、ダスティン・ブラウン(ドイツ)の右に出る選手はそういない。だがエリオット・べンシェトリ(フランス)は、現在開催中のエキシビション大会「アルティメット・テニス・ショーダウン」でそれをやってのけた。米テニスメディアBaselineが伝えている。【実際の動画】すごい場面で股抜きショット炸裂!世界ランキング208位のベンシェトリは、ブラウンの打った見事なドロップショットに追いつき、軽やかに跳ねて股抜きショットで見事なクロスのウィナーを決めた。もしも観客がいる試合だったら、どんな大観衆でも興奮の渦に巻き込んだだろう。

股抜きショットは多用されるようになってきているが、そのショットでウィナーを決めることはまだ稀だ。ましてやネット前へ走り込んでの股抜きウィナーなどは。

35歳のブラウンは、テニスコートのあらゆる場所から、ネットをきれいに越えるドロップショットを無数に打ってきたベテランである。ブラウンがベンシェトリに対して打ったドロップショットは、ベースラインからだったため、ネット際から打たれたものよりは追いつく時間があった。それにしても、猛ダッシュが必要だった。

ボールに追いついた後のベンシェトリは、直感だけだったかも知れない。打ち損じて恥をかかなくてよかった。そのタイミングは完璧で、大会のベストショットの一つとなった。

ベンシェトリが、「相手も同じショットを決めること」と書かれたUTSカード(本大会が使用している独自のカード。選手は1クオーターに2枚のカードを使うことができる)を使えなかったのが残念だ。ブラウンが同じことにトライする姿を見られたら最高だっただろう。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「全豪オープン」でのベンシェトリ

(Photo by Mark Kolbe/Getty Images)