スポルティーバ厳選! 高校野球 47都道府県の注目選手広島編  新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催さ…

スポルティーバ厳選! 
高校野球 47都道府県の注目選手
広島編

  新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校選手権大会」が中止となり、その替わりに、各都道県は独自の代替大会を行なうとしている。広島は7月11日から「令和2年夏季広島県高等学校野球大会」が開幕。大会での活躍が期待される好選手たちを紹介していきたい。



最速143キロを誇る広陵のエース・山川大輝

 注目投手の筆頭候補は、広陵の山川大輝、武田の久保田大斗(だいと)の本格派右腕ふたり。

 広陵のエースナンバーを背負う山川は、昨年秋の時点で最速143キロに到達。同校の歴代エースと同じ軸足で粘れる投球フォーム、そつのないフィールディングも光る好投手だ。昨秋は県大会の準決勝、3位決定戦で連敗し、中国大会出場ならず。今夏はマウンドを守り抜き、有終の美を飾ってほしい。

 昨年ドラフト指名を受けた谷岡楓太(オリックス)からエースの座を受け継いだ武田の久保田は、再開後の実戦で自己最速の144キロを叩き出した。最速更新だけでなく、1試合を通じてのストレートの平均球速も140キロを超えるなど、著しい成長を見せている。

 左腕では、広島新庄、広島商の2校が擁する”左腕コンビ”に要注目。昨秋の中国大会3試合を投げ抜いた広島新庄の秋山恭平は、好不調に関係なく投球をまとめられる安定感が頼もしい。筑後サザンホークス(福岡、フレッシュリーグ)に所属した中学時代は侍ジャパンU−15代表に選出されるなど、大舞台で積んだ経験値が生み出すマウンド度胸も魅力のひとつ。

 昨秋は秋山に後れをとったものの、3年生の秋田駿樹(しゅんき)も将来性を秘めている。高い位置からリリースするクロスファイアーは、好調時は攻略困難な代物だ。

 昨夏王者の広島商の廣島智弘、高井駿丞はそれぞれ違った”色”を持つ。ふたりを端的に表現するなら「完成度の廣島、将来性の高井」。腕がしなやかで柔らかい廣島は、現時点でも高いレベルでまとまった好左腕。それに対して高井は不安定さが顔を覗かせるものの、リリースがハマったときの速球に底知れないロマンが漂う。

 1年秋の県大会から背番号を掴み、昨夏の甲子園でもベンチ入りした廣島だったが、秋の背番号1は高井だった。入学以来続いているエース争いで開幕直前まで能力を高め合う。

 昨春のセンバツでもベンチ入りしていた市立呉の住本太陽、廣本拓士の長身右腕2人も潜在能力を秘めている。賀茂監督時代に海田智行(オリックス)を育て上げた中村信彦監督が期待するのは、精神面の成長。この夏は一皮むけた姿をマウンド上で見せられるか。

 スライダーのキレ味が強烈な盈進(えいしん)のエース右腕・渡瀬藍司(あいし)は、秋の中国大会初戦で延長13回212球を投げ抜いたスタミナも兼備。無尽蔵の体力で、この夏もマウンドを守り抜く。野手仕様の軽快なフィールディングと捕手経験を生かした冷静さで試合をつくる元川惇太(じゅんた)、小柄な体を余すことなく使い切るサイドスロー・卜部雄介の尾道商の右腕コンビも夏の活躍が期待される。

 左腕の活躍が目立つなか、昨年の1年生大会優勝投手になった広島新庄の右腕・花田侑樹、昨夏の県大会決勝のマウンドを1年生ながら任された宗清哉太(むねきよ・かなた)、大土井颯(おおどい・はやて)の尾道の左右両椀は、秋以降も追いかけていきたい好素材。

 野手の注目候補筆頭は、広陵の遊撃手・宗山塁で間違いない。ひと冬超えて、身長、体重ともに増加し、1年秋の神宮大会、2年春のセンバツでも話題を呼んだ高水準の走攻守にパワーが上乗せされた。最後の夏、定評のある洗練されたプレーだけでなく、力強さも披露してほしい。

 広陵では、三塁を守る渡部聖弥も見逃せない存在。昨秋の県大会3位決定戦では、追撃の本塁打を放つなど、一発長打のある打撃に魅力が溢れる。

 宗山の対抗馬に推したい左の巧打者が、広島新庄の中軸に座る下志音(しも・しおん)。懐近くまでボールを呼び込み、左中間を鋭いライナーで突破していく打撃技術はハイレベルだ。

 長打力で一歩抜け出た存在が、高陽東の間瀬場秋(ませば・しゅう)と尾道商の松井健のふたり。

 間瀬場は、1年秋の地区リーグ戦で1試合3本塁打を記録した左のスラッガー。飛ばすツボだけでなく、逆方向に打ち返す対応力や2年夏からコンバートされた三塁守備を器用にこなす点にも注目したい。下級生時代はケガに泣かされることが少なくなかったが、現在は体の不安も一掃。万全の状態で集大成の夏に挑む。

 松井は190センチを超える体躯が目を引く右の長距離砲。捉える確率、守れるポジションの幅など、高校から先のステージを意識する上での課題はあるものの、芯を食った快心の打球に夢を見ずにはいられない。

 その松井と強力打線を形成する尾道商の児仁井佑真(こにい・ゆうま)、稲原大翔(たいと)の左右の中距離ヒッター、大竹の坂本和馬、住川慧の振りもシャープだ。

 武田の中心打者のひとり、重松マーティン春哉も攻守に潜在能力を秘める。春の時点で180センチ、83キロの体格だが、プレーにスピード感もある。

 優れた状況判断でベンチが求める打撃ができる”いぶし銀”タイプの如水館の香本陽向(こうもと・ひなた)、指導者たちが攻守に期待を寄せる山陽の高橋優心も夏の飛躍に期待がかかる。

 夏季大会だけでなく、甲子園で開催される交流試合での活躍も楽しみな、広島新庄の大可尭明(おおか・たかあき)、瀬尾秀太の二遊間コンビ、思い切りのよさとしぶとさの両面を持つ盈進の切り込み隊長・大久保航希らの2年生が見せる勢いあるプレーも楽しみだ。