1851年から続くアメリカズカップは、フォイリング(2013年大会)の登場でヨットレースの形式が大きく変わりました。レースは短時間勝負となり、これまでにないハイスピードでエキサイティングな戦いが繰り広げられます。今回は、急激な技術革新を遂げている第36回アメリカズカップについて学んでいきましょう。(BHM編集部)

第36回アメリカズカップで採用されるAC75。水面から浮き上がって走るフォイリングが特長で、前回大会は双胴艇(カタマラン)でしたが、単胴艇(モノハル)に変更されています。

◎アメリカズカップは、いつおこなわれる?

 アメリカズカップは4年に一度開催されるオリンピックのように周期的におこなわれる大会ではありません。近年では3〜4年に一度の開催に落ち着いていますが、約170年の歴史では1年ごとに開催されたこともあります。

 大会の概要を決定する権利は、前大会の勝利者(ディフェンダー・防衛艇)にあり、挑戦者代表との競技により決定します。

 現在のディフェンダーは、前回第35大会で優勝したヨットクラブ、ロイヤル・ニュージーランド・ヨットスコードロン(チーム名:エミレーツ・チームニュージーランド)で、挑戦者代表にはイタリアのシルコロ・デラ・ベラ・シシリア(チーム名:ルナロッサ・プラダ・ピレリチーム)が選ばれています。

 次回36回大会は2021年3月に開催されます。本来なら2020年4月から前哨戦となるワールドシリーズが幕開けしているところですが、新型コロナウイルスの影響で中止に。前哨戦は2020年12月からはじまる予定です。

 アメリカズカップは、ディフェンダー(防衛艇) vs チャレンジャー(挑戦艇)による1対1のマッチレースで競われます。正式にはこの戦いがアメリカズカップと呼ばれ、その前に挑戦艇代表を決める予選や前哨戦がおこなわれます。

 つまり、「防衛艇であるエミレーツ・チームニュージーランドの対戦相手を決める」を決めるのが予選プラダカップ。ニュージーランドと挑戦艇が1対1で戦うのがアメリカズカップ(マッチ)です。

 アメリカズカップイベントの予定は下記のとおりです。1983〜2017年までルイヴィトン・カップが予選の代名詞でしたが、2021年大会では新しくプラダカップと名称を代えておこなわれることになりました。

◎第36回アメリカズカップイベント
ワールドシリーズ(前哨戦)
 2020年4月23〜26日 イタリア・カリアリ大会 ── 中止
 6月4〜7日 イギリス・ポーツマス大会 ── 中止
 12月17〜20日 ニュージーランド・オークランド大会

プラダカップ(予選・挑戦艇決定)
 2021年1〜2月 ニュージーランド・オークランド

アメリカズカップ・マッチ(決勝・防衛艇対挑戦艇)
 2021年3月 ニュージーランド・オークランド

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