2019年、切れ味鋭いドリブル突破で日本の未来を明るく照らした相馬勇紀。プロ1年目での移籍も経験し、これからのキャリアに…
2019年、切れ味鋭いドリブル突破で日本の未来を明るく照らした相馬勇紀。プロ1年目での移籍も経験し、これからのキャリアに向けて大きな一歩を歩みだした。
相手を翻弄しながら切り込む姿は、新たなパートナーと共にさらなる輝きを見せるはず。強い決意を持ち、結果に貪欲な姿勢を見せた。
取材・文:菅野剛史
取材協力:ミズノ
◆「改めて目に見えないウイルスの脅威を感じた」
──中断期間が続いた中で、現在のコンディションはいかがですか?
「正直に言ってオフシーズン作って来た時とはやっぱり休んでいた部分があるので、少し難しい部分はあります。今回最初立ち上げてからZoomなり形は違うんですけど色んなトレーニングをやってきたので、そこまで特別落ちているというよりはここから上がっていくなという位なので、そこまで悪くは感じていないです」
──この中断期間はどのようなトレーニングをしていましたか?
「Zoomでチームでトレーニングをしたりしましたし、個人的にはエアロバイクを買って家で漕いで、体力の所はなるべく落ちないようにしていました」
──エアロバイクは、スピード・体力面だけではなく筋力強化という面もある?
「筋力はできるだけ使うっていうのはあるんですが、どちらかというと心肺機能を落とさないっていうことが難しいですし、筋力って割と家の中でもある程度は持続というか維持できるんですけれど、心肺のところはやらないことには持続できないので、そこをとにかく重点的にということを考えてやっていました」
──チームトレーニングに戻った際のギャップはありましたか?
「ギャップというよりサッカーができる幸せというのを感じましたし、楽しいですね。グランドでボールを触りながらトレーニングするのは」
──トレーニング以外で選手同士コミュニケーションをとったりしていましたか?
「僕の場合は今一人なので、結婚もしていないですし中々人と話す機会がないので、チームメイトと電話したりとか、大学の同期と話したりしましたね」
──選手同士でZoomとかを使ってコミュニケーションを取りやすくなったという話もありますが…そういった部分が多かったですか?
「全選手とやったわけではないですけど、やっぱり今回の新型コロナウイルス感染症で逆に今まで本当はできたのにやってこなかったこととかあったと思うので、そこは新たな発見かなとは思います」
──チーム内にも感染者が出てしまいましたが、感染の恐怖やリスクを身近に感じたのではないでしょうか?
「その通りで、身近に感じましたね。活動ができなくなってしまったし、色々大変なこともチームとしてありました。ランゲラック選手と話したんですけど、陽性になっても無症状だったというのもあって、症状が出ていなくても感染しているというケースが新型コロナウイルス感染症はあると思います」
「それは逆に自分がうつしてしまう可能性も、もらってしまう可能性も、気づいていない可能性もあるので、改めて目に見えないウイルスの脅威を感じますね」
──感染予防など特別に対策していましたか?
「基本的にはマスクを着けて、エアマスク(首にぶら下げるマスク)の2つをするようにしているのと、特別なことはしていないですけど外食も全然行かなかったですし、手洗いうがいは徹底的にしました。あと車移動が基本となるので、車にはアルコール消毒液のティッシュとアルコールのジェルはしっかり積むようにしていました」
◆「履く時に軽いと“速く走れる”ってなる」
──今回新たに出た『モレリア ネオ Ⅲ ジャパン』ですが、手にした印象は?
「最初の印象はデザインがカッコ良くなったなと。元々好きなんですけど、このミズノのマークの所が、今までは黒だったのに、銀が混ざった光沢が入ったようなデザインで、一目みた時に“すごいスタイリッシュになったな”って。あんまり変わらないと思うんですけど、気づきましたね」
──実際に履いた時の感触や、これまでのスパイクとの違いはありましたか?
「変わった点で言うとフィット感が高まったかなと思っていて、足首の履き口がかなり前のデザインよりも柔らかくなったのか、足の形にしっかりフィットするようになりました」
──スタッドの角度が違ったり、軽さが増したりというのは?
「『モレリア ネオ』はどのモデルも軽い ので、いつも違和感なくプレーできている という事が、良いところかなという風に 思います」
──今までも履いたスパイクだと思いますが、変化は感じますか?
「高校2年生から『モレリア ネオ』を履いていますが、今回の『モレリア ネオ Ⅲ ジャパン』を履いてみて、走りの面で言うと、縦へのスプリントの部分は少し踏みやすくなったかなと感じました」
──長年履かれていて、新しくなっても違和感を覚えないというのはプラスですね
「そうですね。逆に感じていない部分の誤差で性能は上がっているんですけど、履きにくいとか思わず、ずっと履きやすいと思って愛用させてもらっているので、そういう面で言ったら本当に いい靴です」
「しっかり天然の革を使っているというところがミズノさんの変わらないところだと思いますし、やっぱり天然革は履きやすいので良いです」
──プレースタイルからのスパイクに求めることやこだわりはありますか?
「やっぱり軽さですかね。本当にどれくらい軽いと何秒違うとか、計算したことがないのでわからないですけど、やっぱりそもそも履く時に軽いと“速く走れる”っていうメンタリティにもなるので、スプリントに関しては本当に一番いいのかなと思っています」
──今回は、白黒以外に青のカラーリングもあります
「かっこいいですね。さっきも言いましたけど、このミズノのマークが青で光っているんですよ」
「オシャレになってますし、機能の所は先ほど言ったように上がっているので、本当に楽しみですしいいスパイクだと思います」
──個人的にどっちがいい?
「白が好きですが、青って落ち着く色っていうじゃないですか。赤が燃える色で。僕は青のスパイクが多分愛称良くて、試合中とかふと見ると落ち着くというか、ドリブルの時も何か冷静になれる部分があるのかわからないんですけど、青は結構好きですね」
──スパイクを見て心境に影響があるという話はよく聞きますが、やっぱりあるものなんですね
「そうですね。意識できない範囲の所ではあると思います。ピンクの差し色も素敵だと思います」
◆「直接的な結果でチームを勝たせられる存在に」
──昨シーズンは鹿島アントラーズに期限付きで移籍してプレーしました。2クラブでプレーした経験はいかがでしたか?
「1年目で移籍も中々無い経験でしたし、本当に半年、半年で違うチームに行きましたけど、どちらのチームでもよい経験をさせてもらっていて、自分にとってピッチ内でもピッチ外というか、サッカーに対する想いのところとかいろんな面で学ぶことが多かったです」
──今シーズンは名古屋に復帰しましたが、監督が代わっています。去年の最初の半年と今との違いは感じる?
「やり方が大きく言うと違う風に言われるところはあると思うんですが、僕が感じている部分としては、単純に比べてどうだったというより、マッシモ(・フィッカデンティ)監督が来て、縦に早いサッカーというところを目指している中で、自分自身の特長が活きるなぁと感じています。日頃の練習からもそうですし、プラスに捉えてやっています」
──イタリア人監督の下でやることで感じていることは?
「本当に外国人監督の方とできること自体も自分のサッカー人生でも初めてですし、戦術が細かいという話にもなると思うんですが、やっぱり海外に行ったらそれがベースになってくると思います。僕らは日本で育って日本でやっているから、そういう感覚が無いのかなというのもあるので、本当にいろんな経験ができていますし、逆に戦術を知ることで自分の特徴をどこで活かそうとか、新たに考えることができるので本当に充実していますね」
──今シーズンは開幕し、試合にも出場していた中で中断しました。再開というのは難しいところはあると思いますが
「新型コロナウイルス感染症の影響で、残り準備期間がわずかということなんですが、元々僕は3週間あればしっかり準備できると考えていましたし、全然マイナスには捉えていません」
「どういう状況に置かれても、そこで一番良い状況に持っていくのが、プロサッカー選手の仕事でもあると思うし、そういうことができるからこそ、こういう立場にいるとも思います」
「全然マイナスに捉えていないので、しっかり身体を作りながらチームの連携も高めていって再開に持って行きたいなと思っています」
──今シーズンはリモートマッチ(無観客試合)で再開し、スタジアムが満員になることはないシーズンとなります。影響は感じていますか?
「影響までは感じていないけれど、やっぱり観客の方々がいての試合だと思いますし、試合を作り出すのは選手・スタッフ・関係者の方々だけではなくて、お客さんが会場に行って応援してくれたり拍手をしてくれたりというのがあるからサッカーの試合の盛り上がりというのが生まれると思うので、少し寂しい位の気持ちはあるんですけど、最初はDAZN越しに応援してもらえるように頑張りたいですね」
──最初は清水エスパルスとの試合から始まります。相馬選手自身が見てもらいたいプレーとかありますか?
「今年のテーマにも、毎年してるんですけど、ゴールに絡むというか、チームとして戦う部分はしっかり持ちながらも、やっぱり攻撃の選手に求められるのは結果だと思います。ゴール、アシストという直接的な結果でチームを勝たせられる存在になりたいです」
──具体的な数字は掲げていますか?
「それは無いです。毎試合やってできるだけ数字を上げていくというところは考えています」
◆「僕らが獲りたいのも金メダル」
──2019年はU-22日本代表とA代表で試合に出場されました。代表活動はいかがでしたか?
「トゥーロン国際大会から人生で初めて年代別に呼ばれましたし、呼んでいただいていることは本当に光栄です。常日頃から日本を背負って世界の選手と戦っても打ち勝てるようなことを考えながらプレーもしているので、感覚的には難しいですけど、呼ばれても戦う準備はできているという感じでした」
──どちらの代表も同じ森保監督が率いていますが、練習も含めて感じた差はある?
「U-22の方では早生まれで自分が最年長になるので、立ち居振る舞いのところとかも、結局はあまり変わらないんですが少しは意識するところがありました」
「立場が変わるとかはあまりないけれど、E-1選手権のところはスケジュールが難しいところがあって、Jリーグ終わってそのまま行って、全員揃ってやるという機会が中々無かったので、ちょっと難しいですかね」
──東京五輪が1年間延期になりました。発表を聞いた時の心境は?
「正直な感想は、やっぱりやりたかったというのが率直に、一番最初に思ったことです。さっきも話しましたけど、どんな状況におかれてもやるのが僕らの仕事だとも思っているので、あと一年間あるというのをプラスに捉えて、どれだけ成長できるかっていうのを考えています」
「年齢も引き上げられるというので頑張っていきたいですし、こればかりは人命が一番優先されるべきなので、割り切って考えています」
──延長されたことでこの1年をどう過ごしたいですか?
「今までも競いながらやってきた立場なのでやることは変わらないですが、とにかく結果が一番大切かなと思いますね。オリンピックに出たとしても、結局求められるのは金メダルですし、僕らが獲りたいのも金メダルです」
「今年の1月にタイに行って、結果が出せない、勝負強さが無いというか、単純に実力でやられてしまったという悔しさがまだ残っているので、改めてやっぱり一番は結果を出さないと始まらないなと感じました。もちろんプロセスだったり内容も大切なんですけど、一番こだわらなければいけないのはやっぱり結果かなと思っています」
◆ライバルであり代表でチームメイトの2人の印象
──同じ『モレリア ネオ Ⅲ ジャパン』を履き、U-23日本代表でもチームメイトの田中駿汰選手(北海道コンサドーレ札幌)、旗手怜央選手(川崎フロンターレ)の印象は?
「駿汰は関西だったので中々試合する機会もなくて、たぶんトゥーロンに行った時に初めて一緒にプレーしたんですが、あんまり今まで見たことないなという選手で、ボールを裁くのが上手くて守備の所もしっかり潰せるというところで、一緒に出たときにやり易いなと感じました」
「もっと彼のキックだったり視野の広さを引き出せたら、自分の動き出しと一気に相手を崩せるっていうイメージがあるので、そこのところはもっと詰め合わせて行きたいなと思います」
「怜央に関しては、彼はずっと一緒にやっていますし、大学サッカーのスーパースターでもあったので、全てできるって感じですかね。技術もありますし、シュートも強いしドリブルもできるしいうところですね」
「大学出身の選手は少ないですけど、やっぱり大学でやっていたからこそ試合にも出続けられて経験も積めましたし、特にフィジカルの所は強くなっていると思いますし、しっかり3人で頑張っていけたらなと思っています」
──やはりライバル意識はありますか?
「そうですね。マッチアップが無いので難しいですけど、しっかり名古屋が勝てるようにやっていきたいです」
──田中駿汰選手からのご質問を預かっています。サイドで1対1になった時相手のどこを見て仕掛けていますか?ということですが
「重心ですかね。僕は大体重心を見ていて、初速の早さはJリーグでも他の誰にも負けないと思っている位なので、相手が行けない方向に重心が乗った瞬間に加速したら行けるなと思っています。どっち足に乗っているのかっていうのは考えながらやっています」
──それでは、旗手怜央選手に聞いてみたいことを
「怜央に聞きたい事。好きな女性のタイプは?とかですかね(笑) あとは、シュートを打つ時は何を考えていますか?」