Jリーグが4日の明治安田生命J1リーグ再開に先駆け、トークイベント『Jリーグリモートカンファレンス』を開催した。 スポーツチャンネル『DAZN(ダゾーン)』の独占ライブ配信で行われた『Jリーグリモートカンファレンス』は2部構成で放送。MC…

Jリーグが4日の明治安田生命J1リーグ再開に先駆け、トークイベント『Jリーグリモートカンファレンス』を開催した。

スポーツチャンネル『DAZN(ダゾーン)』の独占ライブ配信で行われた『Jリーグリモートカンファレンス』は2部構成で放送。MCの西岡明彦氏とJリーグ副理事長でコメンテーターの原博実氏が主導となり、進行された。

第1部は「再開するJ1リーグの見どころ紹介」や「27日、28日に行われたリモートマッチのレビュー」、そして「ゲストトーク」の構成で進められ、ゲストとして日本代表の森保一監督が登場した。

第2部は「J1リーグ第2節の対戦カード紹介」や「対戦カードごとの参加選手インタビュー」を実施。J1リーグ全18チームの代表選手たちが対戦カードごとに出演して、再開初戦の意気込みを語った。

会の終盤にはJリーグチェアマンを務める村井満氏と日本プロサッカー選手会会長でサガン鳥栖の元日本代表MF高橋秀人が登場。それぞれの立場からついに迎える再開に向けて想いを口にした。

◆高橋秀人

「先週、J2とJ3が再開して、今週からようやくJ1が再開する。中断された約4カ月間、選手たちは本当に色んなことを感じた。中断当初、長いトンネルのように『どうモチベーションを保ったら良いのか』、『どうコンディションを保てば良いのか』、また新型コロナウイルスの感染者が多くなっていくなかで『サッカーなんてやっている場合なのか』、『でもサッカー選手だから、サッカーをしなかったら何が残るのか、どうやって社会に貢献できるのか』をたくさんのことを感じた。また、『大事なサポーターやファンがサッカーから離れていくんじゃないか』という危惧する想いもあった」

「そのなかで、選手のひとりひとりが感じて、主にSNSでの発信でサポーターのみなさんと交流をさせていただき、やはりサッカー選手としてファンやサポーターの前で『サッカーがやりたい』という想いがより一層強まったと思う。最初はリモートマッチで互いに慣れない部分もあるが、互いの安全を考慮しての再開になる。僕ら選手たちも引き続き感染予防に努めて、ファンやサポーターも引き続き感染予防に努めて、段階的にファンやサポーターがスタジアムに足を運んでいただき、素晴らしい臨場感、素晴らしい一体感を作り出せるように徐々にそういった進行のなかで、僕らもプレーさせていただきたい」

「またこうやってサッカーができるような環境を整備してくれたJリーグ関係者方々にも本当に感謝したい。選手会としても色々な選手側の不安だったりを聞いていただいて、色々なガイドライン、プロトコルを作成していただいた。そういう感謝の気持ちを持って、観ている方々に勇気と感動を与えられるような試合がしたい。新型コロナウイルスの影響で試合がなく、おそらくモヤモヤした気持ちがあったと思うが、そういうものを発散できるように、清々しい気持ちになっていただけるようなプレーを期待していてほしい。J1も再開します。みなさん、よろしくお願い致します」

◆村井満

「4カ月ぶりの再開になる。ファンやサポーターのみなさんはどれほど痺れを切らしたでしょう。本当に長きにわたり、我慢を強いられせてしまった。本当にここまで堪えていただきありがとうございました。サッカーのファンやサポーターである前にホームタウンの市民でいらっしゃるわけで、仕事をされている方は大変だったと思うし、学生の方も色々なことがあったと思う。みなさんが感染防止に努めていただいたおかげで、ここでサッカーがもう一度、戻ってくることになった。ひとえにみなさまのお力添えだと思う。本当にありがとうございます」

「そして、Jリーグパートナーのみなさんにも感謝したい。明治安田生命Jリーグであるが、我々が未曾有の状況下でどうエンゲージしていけるか、どう一緒に戦っていくかを思い悩んでいるとき、明治安田生命様がとても大きな増額の特別協賛を決めていただいた。そして、トップパートナーの各社の皆様も常に私を励ましてくれた。そうしたトップパートナーの各社の皆様にも感謝を申し上げたい」

「まずはリーグ戦からの再開となるが、間もなくてルヴァンカップも始まる。ヤマザキビスケット様、社長とも夜な夜な『世界に誇れるカップ戦を作ろう』と夢を語り合った。中継はリーグ配信のDAZN、カップ戦配信のフジテレビにしていただく。全てのみなさまのおかげでここまでくることができた。全ての関係者を代表して、お礼を申し上げたいと思う」

「選手からすれば、『村井さん、いい加減にしてくれ』という気持ちだったと思う。私は『試合をやるぞ』と言いながら4度も中断の決断を下してしまった。この4カ月の間で、4回もトップコンディションから落とすという過程はアスリートとして極限状態。たぶんメンタルを含めて、大変の状況だったと思うが、うまく結束を固めていただいた。自分の身体が資本なので、自分の身体そのものも不安だったにも関わらず、家族を守るひとりの市民として、選手は本当に頑張っていただいた。その点に関しても、本当に感謝したい」

「いよいよ始まり、J1リーグの再開を残すところとなる。ファンやサポーターのみなさんにはまだまだ不自由をおかけしての再開になる。一緒に作っていく大会というのが今季のコンセプトになり、世界の色々なリーグがJリーグを注視している。感染防止に関する日本のスタイルは世界で驚きを持って伝えられていた。何か罰則を設けるわけじゃなく、プライバシーに踏み込むものでもなく、ひとりひとりの自主性を持って、今回の感染対策に臨んできたと思う。サッカーもそういったみなさんの力で作っていきたい」

「今季開幕前の私はいわゆる日本式、『世界を驚かす日本のスタイルを魅せよう』と申し上げたが、まさにコロナ禍下で新たなフットボールの観戦のあり方、サッカーとの関係性のあり方を日本から世界に発信していきたい。全ての方々に恩返しできるとすれば、全力でプレーすることに尽きる。選手のみなさん、サッカーができる喜びに溢れ、本気で一緒にやりましょう。そして、恩返しをしていきましょう」