ラグビーワールドカップ連覇を達成し、世代交代をしてもなお、世界最強チームと称されるニュージーランド代表“オールブラックス”が、ティア1国(強豪国)におけるテストマッチ連勝の新記録を樹立した。 それは昨年8月15日の勝利から始まった。ワール…

 ラグビーワールドカップ連覇を達成し、世代交代をしてもなお、世界最強チームと称されるニュージーランド代表“オールブラックス”が、ティア1国(強豪国)におけるテストマッチ連勝の新記録を樹立した。

 それは昨年8月15日の勝利から始まった。ワールドカップ7試合、ウェールズ代表とのテストシリーズ、ザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国対抗戦)でも圧倒的強さを見せ、白星を重ねたオールブラックス。そして10月22日、1994年のフランス代表戦を最後に負けていないイーデンパーク(オークランド)でオーストラリア代表と対戦し、37-10で快勝した。見事、18連勝達成である。

 世界記録は、キプロス代表が2008年から2014年にかけてマイナー国間で打ち立てた24連勝だが、オールブラックスは11月の欧州勢との4試合にも勝ち続ければ、来年6月下旬から7月上旬にかけて自国でおこなわれるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとのテストシリーズで、前人未到のワールドレコードを樹立する可能性が出てきた。

 ティア1国では過去、ニュージーランド代表(1965~69、2013~2014)と南アフリカ代表(1997~98)が17連勝していた。2012年、新記録に迫っていたニュージーランドの連勝を16で止めたのはオーストラリア代表(ワラビーズ)だった。2014年に記録更新に王手をかけたときも、ワラビーズがまたも引き分けてオールブラックスの笑顔を消した。

 そして今日、22日におこなわれたライバル対決。両国が争うブレディスローカップのトロフィーはニュージーランドがすでに14年連続保持を決めていたが、連勝記録がかかった大一番は途中まで競り合う白熱ゲームとなった。

 立ち上がりがよかったのはニュージーランド。前半5分、WTBイズラエル・ダグがフィニッシャーとなるチームトライで先制した。9分にはフラットパスをもらったCTBアントン・レイナートブラウンが抜けて追加点。
 対するオーストラリアは28分、LOローリー・アーノルドが208センチの身体を伸ばしてインゴールにねじ込み、反撃する。
 しかし、33分、黒衣9番のTJ・ペレナラが敵陣深くでキックをチャージしてインゴールに転がったボールを自ら押さえ、15-7として前半を終えた。

 後半早々、追うオーストラリアはPGで5点差に詰めた。
 さらに45分(後半5分)、ゴールドジャージーのSOバーナード・フォーリーがハーフウェイから抜け出し、サポートしたWTBヘンリー・スペイトがゴールへ走り切って同点トライが生まれた、かと思われた。が、一連の流れのなかでオーストラリアのWTBデイン・ハイレットペティが進路妨害をしていたことがTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で明らかとなり、トライは認められなかった。

 絶好のチャンスを逃したオーストラリアは51分、SOフォーリーがさほど難しくない位置からのPGを外し、流れを悪くする。そして53分、ターンオーバーからチャンスになりかけたオーストラリアだが、落球してニュージーランドが再び攻める側となり、味方のキックで転がったボールをWTBジュリアン・サヴェアが確保してゴールに持ち込み、黒衣のサポーターで埋まった会場が沸いた。

 これで勢いがついたオールブラックスは、68分、途中出場PRワイアット・クロケットがブレイクダウンでターンオーバーしてからWTBサヴェアの連続トライが生まれ、72分にはHOデイン・コールズがチーム6トライ目を決め、歓喜となった。

 ニュージーランド代表はこのあと、11月5日にアメリカのシカゴでアイルランド代表と対戦し、12日にはローマでイタリア代表の挑戦を受ける。その一週間後にはダブリンで再びアイルランド代表と激突し、26日にパリでおこなわれるフランス代表戦で今シーズンは終了となる。