感染者続出に強まる批判の声 男子テニス世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、新型コロナウイルスの陽性反応を示したことをツイッターで公表。自身が主催したチャリティー大会に参加した選手ではビクトル・トロイツキ(セルビア)、グリゴー…

感染者続出に強まる批判の声

 男子テニス世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、新型コロナウイルスの陽性反応を示したことをツイッターで公表。自身が主催したチャリティー大会に参加した選手ではビクトル・トロイツキ(セルビア)、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)、ボルナ・チョリッチ(クロアチア)に続き、4人目の感染者となってしまったが、ずさんなコロナ対策とナイトクラブでのパーティーで批判を集めるジョコビッチは米メディアから「世界の反面教師」の烙印を押されている。

「ジョコビッチの愚行は世界の教訓に」と特集したのは米放送局「CNN」だった。

 新型コロナ禍で中止を余儀なくされていたテニス界の本格再開の先駆けとしてジョコビッチが主催した「アドリア・ツアー」では、選手はマスクなどの感染予防策を講じずに行われた。試合後のナイトクラブではリンボーダンスなどパーティーに興じる様子が報じられ、参加者からはジョコビッチを含む4人の陽性反応が出た。

「我々がここ1か月行ったことは全て、純粋な気持ちと真摯な想いによるものだ。我々の大会は連結を意味するもので、地域全体で団結と同情のメッセージを分かち合おうというものだった」

 ジョコビッチはセルビアとクロアチア両国の関係改善に貢献したかったという想いを謝罪声明に綴ったが、CNNは「新型コロナはいかなる純粋な意図だろうが配慮しない」「通常通りのビジネスを展開しようという想定は絶望的な結果を導いた」と批判している。

テニス界からも高まる非難の声

 特集では大会運営についてはクロアチアとセルビア両国の新型コロナウイルス関連のガイドラインを遵守したものだったことを指摘する一方で、テニス界からも非難の声が噴出していることを伝えている。

「大失態は起きてしまった。地域のガイドラインに従っても、完全に理解されていないウイルスに対しての安全性が保障されるものではないということが証明された」

 ジョコビッチの一連の行動に厳しい視線を向けた挙句、「世界最高のテニスプレイヤーの例を肝に命じることになるだろう。コートに戻りたいという我慢の欠如が理由で彼のキャリアがかつてないほどの危機にさらされている」と指摘している。

 テニス界最強の実力者のはずが、一転各方面から非難を浴びることになってしまった。(THE ANSWER編集部)