新型コロナウイルス(COVID-19)による中断期間を経て、再開するJリーグ。Jリーグ全試合を配信する「DAZN」と18のスポーツメディアがタッグを組んだ「DAZN Jリーグ推進委員会」では、「THIS IS MY CLUB -FOR RESTART WITH LOVE- Supported by DAZN Jリーグ推進委員会」の企画をスタートさせた。

超ワールドサッカーでは、ギラヴァンツ北九州のFW池元友樹にインタビューを実施。長年北九州に在籍し、地元出身選手として、そして今シーズンは最年長選手として活躍が期待される池元にクラブへの愛、地元への想い、そしてシーズン再開への意気込みを語ってもらった。

取材・文:菅野剛史

写真提供:ギラヴァンツ北九州

◆「年間を通して戦えるようにいい準備をしていきたい」

──新型コロナウイルスによる中断期間がありましたが、現在のコンディションは?

「自粛期間中もやれることはやってきたつもりですし、思ったよりもスムーズにトレーニングに入れたかなと思っています」

──チームトレーニングが再開され、自宅でのトレーニングとは異なると思いますが

「中々、器具を使ったトレーニングはできないので、そこのブランクは感じました。ただ、積み重ねだと思うので、しっかりやっていければと思います」

──チームメイトと再会し、チームトレーニングなどを再開させて感じた変化やギャップなどはありますか?

「13日に初めて紅白戦をして、フルピッチでやりましたが、やはり期間が空いていたこともあって、みんなキツそうでしたし、個人的にもキツかったです。ただ、これもやっていかなくてはいけないことですし、やっていけば慣れるので、再開後は過密日程になりますし、年間を通して戦えるようにいい準備をしていきたいと思っています」

──キャリアを通じてここまでの期間試合がないことはなかったと思います。この期間はどう捉えましたか

「最初の方はすごく違和感を覚えていましたし、途中トレーニングを何日か再開できた日がありましたが、そこからまた自粛という形になって、その難しさ、気持ちのところも難しかったですね」

「あとはジムに行けなかったり、家でやるトレーニングも限られたりしてくるので、そこの難しさはありました。こればかりはしょうがない状況なので、個人的にも、みんなもそれぞれができることをしっかりと考えてやっていました」

──ご自宅ではどういったことに気を配ってトレーニングしていましたか

「普段のオフの中でもできないこと、シーズン中にもできないことを始めようと思って、ヨガを始めてみたりしました。家のすぐそばでリフティングは苦手なんですが、そういったことをやってみたりとか、時間はあったので有効に使って苦手なことに取り組んでいければと思ってやっていました」

──北九州では感染の第2波などもあり、福岡県は地方都市では多くの感染者を出していましたが、生活面での新型コロナウイルスの恐怖は感じていましたか?

「すごく感じましたね。自分は家族がいて、子供も小学校と幼稚園に行く年齢ですが、僕1人が気をつければ良いことではなくて、子供もそうですし、周りの環境というのも、そういった部分を目の当たりにしました。僕だけじゃなく、子供にもすごくストレスを感じさせたなと思いました」

「ただ、しょうがない状況なので、そこでどう過ごしていくかが大事だと思いました。なんとかストレスを少なくさせようと家の中ではしたりしましたし、子供たちも僕に気を使ってくれたと思います。家族としてはすごく良い時間だったと思います」

──感染予防や健康管理に関しては、今まで以上に気を付けたこと、特別に行ったことはありますか

「当たり前のことですが手洗い、うがい。子供は学校から帰ってきたらまずはシャワーを浴びさせるとか。そういった本当に当たり前のことが大事になるなと今回ですごく感じました。良い機会と言ったら悪いですが、改めて色々なことを感じることができた期間ですね」

◆「このチームは大きくなっていっている」

──チームメイトの方と触れ合えないことで、久々に会った時に感じたことはありますか

「僕だけではなくみんなそうだったと思いますが、1人でやる辛さ、限られるトレーニングの難しさがあったと思います。少人数から始まって、一緒に2人でボールを蹴ることだけでもすごく楽しく感じられましたし、みんなもそう感じていました。徐々に人数が増えることで、改めてサッカーが好きなんだなと感じましたし、ピッチの上でプレーすることのありがたさをすごく感じられたので、チームメイトともそういった話はしました」

──やはり、ボールを蹴れないもどかしさはありましたか

「本当に当たり前のことができなかったので、あんまり感じていなかったつもりでしたが、戻った時に改めて良さだったりを凄く感じました」

──トレーニングなどでもファンの方と触れ合えない状況があったと思います。その影響は大きかったですか?

「僕たちプロ選手は、ファン・サポーターがあってのチームだし選手だと思っています。その触れ合いがない、励まされることもSNSではありますが、直接話をする機会があまりなかったり、僕たちがプレーする姿を見せられないのは寂しかったりします。見て欲しいなと思う場面もすごくあったので、早くその日が来ることを待っています」

──2019シーズンはJ3で優勝しましたが、2018シーズンの最下位からの優勝という変化に対して、チームで大きな変化はありましたか

「去年もたくさんそういった質問をされまして、監督が代わって、若い選手が多く入ってきて、どういう風になるのかなっていう不安から始まりました。ただ、開幕から連勝できたことはとても大きかったと思いますし、開幕から若い選手が躍動して、結果に繋がったことが凄く自信になったと思います。それがシーズンを通してどんどん変わっていく姿を見られました。それを支えてくれるチームスタッフも凄く一体となってくれたことが大きな要因だなと思います」

──長年ギラヴァンツ北九州に在籍しています。今年は最年長選手にもなりますが、クラブに感じる変化はありますか

「年を重ねるごとに、このチームは大きくなっていっていると思いますし、周りから見られている期待されている感じも凄く変わってきたなと感じます」

──復帰した2016シーズンでJ3に降格し、2018シーズンはリーグ最下位、そして2019年のJ3優勝と、良い部分も悪い部分も経験したと思います。J2に戻ってきた今シーズンへの思いはいかがですか

「個人的にはチームの最年長にもなりました。どの歳でもそうだったんですが、この歳でどこまで通用するかというのが楽しみです。どんどんチャレンジしていきたいですし、色々なことにチャレンジして、チームとともにまだまだ成長していきたいなという思いで臨みました」

◆「チーム内競争があるチームが強くなる」

──ベテランと呼ばれる年齢になり、チーム内での立ち位置は大きく変わっているでしょうか

「今年初めて最年長という立場になって、これからどういった見せ方をするべきかを色々考えたりしますけど、自分は自分なりに、まずは自分ができることをピッチで表現して、それを見て何かを感じてもらえたらなと今のところは思っています」

「今まで自分が居たチームでは、最年長の選手、ベテランと言われる選手の存在はすごく大きかったので、そういった存在になれるように、色々と行動していきたいなと思っています」

──自身のプレーやスタイルに関して、変化を加えようという思いはありますか?

「今年だけではなく、ここ最近はそういったことを考えてトレーニングをやってきました。行動も意識してやってきたつもりなので、そこは変わらず続けていきたいです。それプラスアルファで何かできることがないか。このチームのために、チームにいる若い選手のために何かできることはないかと考えています」

──2019シーズンはチーム内での競争が激しくなり、若い選手の刺激や突き上げもあったと思います。その影響は大きいでしょうか

「それは凄く感じています。僕もそうでしたが、ちょっとしたキッカケですごく大きな自信に繋がって、大きく変化することが多いです。それは僕にとっても嬉しいことですし、それを見て僕もまだまだ負けたくない、もっと上手くなりたいという気持ちになってやれるので、そこは嬉しいです」

「そういった環境でないとチームは強くなっていかないですし、そういった存在がいないと1人1人がもっと良い選手になっていかないと思うので、チーム内競争があるチームが強くなると思うので、みんなが続けて成長していければと思います」

◆「1つ1つのプレーなどで元気や勇気を与えられる存在でありたい」

──今シーズンは、ファン・サポーターの声援をこれまで通り直接受けられないシーズンになると思います。その影響はどう感じていらっしゃいますか?

「お客さんがいてもいなくても、プロとしてはプレーの質や、プレーを変えてはいけないと思いますが、特にホームの時は1つのプレー、1つのゴールですごく沸いてくれるので、それが僕たちのすごく大きな力になっていました。それがないというのは凄く寂しいというか、不安な部分ではありますが、なんとかそういった部分を強い気持ちを持ってチーム一丸となって乗り越えて臨んでいかなければいけないと思います」

──地元出身選手として、こういった難しい時期に地元のクラブに在籍していることで、クラブや地域への思いがより一層強くなると思いますが

「僕たちが与える力というのがどれだけかは分かりませんが、身近な存在の方からは凄く励まされたよとか、元気をもらったよとか、観てくれている人が多いです。こういう状況なので、特に明るいニュースを届けていきたいですし、1つ1つのプレーなどで元気や勇気を与えられる存在でありたいです。地元ということもあるので、「地元の池元が」と思ってもらいたいです。そういった責任感を持って、臨んでいきたいなと思っています」

──難しいシーズンになると思いますが、ファン・サポーターの方に観てもらいたい部分、見せていきたい所を教えてください

「僕たちはJ3から上がってきたチームなので、どれだけ通用するかということが一番大事だと思います。どんどん若い選手が多い中で、僕も含めてチャレンジしていきたいと思います。そしてこのチームがこの1年があったからというシーズンにしたいです」

「今年は特に過密日程になるので、どの選手にもチャンスがありますし、そういったチャンスを本当はピンチなのかもしれないですけど、こういったチャンスに変えられるシーズンだと思うので、色々な選手が見られると思いますし、選手が変わっていく姿が見られると思うので、僕も楽しみですし、サポーターの方も楽しみに見て欲しいなと思います」

──個人的な今シーズンの目標は

「昨シーズンは1年間通してケガをせずにやれました。その前のシーズンはケガも多かったりしたので、1年間やれる喜びを去年は改めて感じられました。今年も変わらず、去年と同じように1年間を通して、トレーニングと試合に出続けたいというのがあります」