ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)、マリア・シャラポワ(ロシア)と、過去から現在まで、偉大なテニ…

ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)、マリア・シャラポワ(ロシア)と、過去から現在まで、偉大なテニス選手たちは、コーチのケアによりパフォーマンスを改善してきた。彼らのコーチは、競技の技術面だけではなく、精神面でも選手らを支えている。テニスにおけるコーチの励まし効果について、Tennis World USAが紹介している。【動画】観客にコーチ依頼したキリオスがポイント勝利するシーン

コーチは、選手の若い頃から側にいる存在だ。そして選手への励ましは、コーチの仕事の基本的な部分の一つだ。先日、若手テニス選手の精神生理学的ならびにパフォーマンスに対するコーチによる励ましの効果について扱った興味深い論文が発表された。概要は次のとおりだ。

この研究は、オンコート・テニストレーニングドリル(コート上でのトレーニング、OTDs)中のコーチの励ましが、若いテニス選手の精神生理学的及びパフォーマンス的にどのように影響するかを比較するものである。25人の男子テニス選手(年齢14.0±0.3歳)が、4つの一般的なOTDsを6セットずつ行った。

運動時間と休憩時間の比率は1:2とし、30秒のトレーニングと60秒の休憩を1セットとした。全てのトレーニングで2つのモニター装置を使用し、心拍数と総運動距離を計測。各トレーニング1セットを終える毎に、自覚的運動強度指数(RPE-10)と身体活動の楽しみ度(PACES)を決定した。

コーチの励ましがある場合は、ない場合に比べ、目に見えて高い精神生理学的及びパフォーマンス的効果を示すという結果が出た。コーチの励ましは、トレーニングの強度、パフォーマンス、そして身体的楽しみを上昇させる。このことは、若手テニス選手のパフォーマンス向上を目指すトレーニングを組み立てるのに有益な情報となるだろう。

そしてこれは若い選手に限ったことではない。トップ選手もまたコーチの励ましの恩恵を受けている。ボリス・ベッカー(ドイツ)やイバン・ルビチッチ(クロアチア)、ステファン・エドバーグ(スウェーデン)、マグナス・ノーマン( スウェーデン)、イワン・レンドル(アメリカ)らがコーチとして、ジョコビッチ、フェデラー、スタン・ワウリンカ(スイス)、アンディ・マレー(イギリス)らと組んでいた時のことを思い出して欲しい。彼らは技術を教えるだけでなく、精神的にも選手たちの大きな助けとなっていた。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2018年「全豪オープン」でのフェデラーとコーチのイバン・ルビチッチ

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)