たった1つのミスが失点に直結するゴールキーパー(GK)というポジション。当然ながらGKがゴールを決めることはほとんどなく、ストライカーやドリブラーに比べて目立ちにくい部分もある。 しかし、裏を返せばセーブひとつでチームを救うこともできる、勝…
たった1つのミスが失点に直結するゴールキーパー(GK)というポジション。当然ながらGKがゴールを決めることはほとんどなく、ストライカーやドリブラーに比べて目立ちにくい部分もある。
しかし、裏を返せばセーブひとつでチームを救うこともできる、勝敗のカギを握るポジションとも言える。今回の企画『Unbelievable Saves』(信じられないセーブ)では、各クラブの守護神たちが見せた驚きのセーブを紹介していく。
今回はユベントスの元イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンが見せたセーブだ。
ブッフォンはパルマでキャリアをスタート。2001年7月にユベントスへと入団すると、2018年7月にパリ・サンジェルマン(PSG)へ移籍するまで17年間プレー。PSGでは1シーズンのみのプレートなり、今シーズンから復帰している。
長年ユベントスのゴールマウスを担ってきたブッフォンだが、2003年5月28日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝のミラン戦では素晴らしいセーブでチームを救っている。
イタリア勢同士の決勝らしい堅い試合となったこの試合は、両者とも中盤での激しいプレスの掛け合いで主導権を奪い合い、決定機は多くなかった。その中でミランが最もゴールに近づいたシーンでは、ブッフォンが立ちはだかった。
ミランはFWアンドリー・シェフチェンコが前線にボールを運ぶと、ボックス右端にいたMFクラレンス・セードルフへと展開する。ボールを受けたセードルフは、再度に流れながら、マイナス気味のクロスを中央へと送る。これに誰よりも早く反応したのがFWフィリッポ・インザーギだった。走り込みながらのダイビングヘッドはドンピシャで合い、ヘディングシュートが枠をとらえていたが、ブッフォンが超人的な反応を見せ、左手でセーブした。
結局、試合は0-0のまま120分間の戦いを終え、PK戦へ。ブッフォンとミランのGKヂダが好セーブを連発し、合わせて4連続セーブが生まれるなど最後まで目が離せない展開となったが、最後はシェフチェンコが決め、ミランが勝利した。
だが、この試合や準決勝のレアル・マドリー戦での活躍があったブッフォンは、この年のCL最優秀選手賞を受賞している。