メジャー通算本塁打の1割にも満たない左投手からの本塁打

 新型コロナウイルスの感染拡大により、約3か月遅れの6月19日に開幕を迎えた2020年のプロ野球。待ち望んでいた開幕の時を迎え、先週末の3試合は野球に熱中したファンも多いことだろう。そして、テレビなどのメディアも多くの時間をプロ野球開幕に割いていた。

 快投を見せたオリックスの山本由伸投手や広島のドラフト1位ルーキー森下暢仁投手、開幕3連戦からいきなり結果を残した巨人の新助っ人ヘラルド・パーラ外野手など、様々な選手やプレーなどが脚光を浴びた3試合。その中で、喜ばしくない形で注目されてしまったのが阪神のジャスティン・ボーア内野手だろう。

 阪神の主砲として期待されて来日したボーアだったが、開幕3試合で快音は聞かれず。3試合で12打数0安打、打率.000に終わり、開幕3戦目には早くも4番から6番に降格した。対左投手は来日してから23打数無安打と課題を露呈し、早くも厳しい評価を突きつけられている。

 だが、このボーアの“左投手アレルギー”は今に始まったことではない。MLBでプレーしていた頃から、左投手を苦手にしていたのは明らかで、何も驚くところではない。ボーアのメジャー時代の成績を見てみよう。

・2014年(マーリンズ)
39試合74打数21安打1本塁打11打点 .284
(対左投手:5打数1安打0本塁打2打点 .200)

・2015年(マーリンズ)
129試合409打数107安打23本塁打73打点 .262
(対左投手:68打数15安打0本塁打9打点 .221)

・2016年(マーリンズ)
90試合280打数74安打15本塁打51打点 .264
(対左投手:30打数7安打0本塁打2打点 .233)

・2017年(マーリンズ)
108試合377打数109安打25本塁打83打点 .289
(対左投手:87打数22安打6本塁打21打点 .253)

・2018年(マーリンズ→フィリーズ)
141試合423打数96安打20本塁打59打点 .227
(対左投手:125打数24安打2本塁打12打点 .192)

・2019年(エンゼルス)
52試合151打数26安打8本塁打26打点 .172
(対左投手:24打数4安打0本塁打1打点 .167)

・メジャー通算
1714打数433安打92本塁打303打点 .253 334三振
(339打数73安打8本塁打47打点 .215 113三振)

2018年、2019年と2年続けて左投手からの本塁打はゼロ

 2014年からの6年間の成績を見ても分かるように、ボーアは左投手を打っていない。打率は2割台前半で、ここ2年は打率1割台に落ち込んでいる。キャリアハイの25本塁打を放った2017年こそ6本塁打を放っているものの、6年間でこれが最多。うち4年間では1本の本塁打も出ていない。メジャー通算92本塁打を放っているが、うち84本塁打は右投手からのものだ。

 全打数のうち、左投手との対戦は2割ほど。にも関わらず、三振数は334三振のうち、3割強の113三振を喫している。一方で、本塁打は1割にも満たない。明らかに左投手を苦手としており、さらに2018年、2019年と年を経るごとにその傾向は顕著となっていた。左投手に苦戦するであろうことは十分に予想出来たはずだ。

 ただ、まだ開幕してたった3試合しか経っておらず“失格”の烙印を押すには早過ぎる。“バースの再来”と持て囃されたボーアだが、実は、そのバースも米時代は左投手を打っていない。メジャー通算で325打数69安打9本塁打42打点、打率.212だが、対左投手は57打数11安打0本塁打5打点、打率.193。メジャーでは左投手から1本もホームランを打っておらず、その成績だけで言えば、ボーアよりも期待が薄い助っ人だった。

 来日1年目で新助っ人がいきなり結果を残すのは難しい。活躍のためには選手の努力や心構えだけでなく、周囲のサポートや我慢強さも必要になるだろう。阪神は23日から敵地・神宮球場でヤクルトと対戦する。新助っ人のバットから快音は響くか。(Full-Count編集部)