91年から球場アナウンスを担当する谷保さんの記憶に残る4試合は…

 プロ野球・ロッテには、言わずと知れた名ウグイス嬢がいる。91年から球場アナウンスを担当する谷保恵美さんは、今季で“現役30年目”を迎える。昨年7月には担当試合が1800試合を突破。96年10月以降、連続担当を継続中の鉄人でもある。谷保さんにとって待ちに待った節目のシーズン開幕となる23日のオリックス戦(ZOZOマリン)を前に、これまでに印象に残っている4試合を挙げてくれた。

1.小宮山VS野茂の投げ合い、初芝サヨナラ本塁打

近 鉄 000 000 000 – 0
ロッテ 000 000 001X- 1

 1994年5月10日、ロッテの先発・小宮山悟と、近鉄の先発・野茂英雄の投手戦。小宮山が9回3安打11奪三振の好投を見せるとその裏、それまで1安打10奪三振と抑え込まれていた野茂から5番の初芝清がバックスクリーンへサヨナラの3号ソロを放った。

 谷保さん「当時は先発完投が多かったじゃないですか。2人とも9回まで投げられてて、最後に野茂さんから初芝さんがサヨナラ。二人とも凄いエースで、すごい投げ合いだったのも印象的でしたし、サヨナラで終わったけれど、野茂さんはガックリするわけでもなく、堂々とベンチに帰っていったという光景が、『うわ、プロ野球だな』と感動しました」

2.ボーリックナイト

ダイエー 010 202 001 3 – 9
ロッテ  000 123 000 4X-10

 2001年7月9日、ファンの間では「ボーリックナイト」として語り継がれる試合。両軍合わせて5本塁打が飛び交う打撃戦。延長10回表にダイエー・大道典嘉の3ランで3点リードを奪われるもその裏、小坂誠、サブロー、福浦和也の3連打で無死満塁とし、ボーリックがこの日2本目となる20号逆転サヨナラ満塁弾。相手守護神・ペドラザを打ち砕き、奇跡ともいえる逆転勝利をあげた。

 谷保さん「10回の表に3点取られて、裏に満塁ホームランでサヨナラ。ファンの方にもよく一番記憶に残っていると言われますし、覚えている方は多いと思います」

やっぱり一番記憶に残るのは「初めてマイクの前に座ったとき」

3.イ・スンヨプ、川上憲伸の完全試合を阻止する一撃

中 日 012 101 200 – 7
ロッテ 000 000 010 – 1

 中日先発の川上憲伸に8回2死まで1人の走者も出せない完全試合ペースとされるも、イ・スンヨプが8号ソロをバックスクリーン左へ。結局チームの安打はこの1本だけだったが、大記録の達成を阻止した。

 谷保さん「完全試合になりそうで、『このままいくんじゃないか』という8回裏、イ・スンヨプ選手がホームランを打って。『うわ、なくなった!』っていうのと、みんなが『はあ~』って(笑)。完全試合が目の前で起こるかもしれないというのと、よかったという両方の気持ちでしたね」

4.ウグイス嬢デビュー戦、91年3月の教育リーグ

 谷保さん「試合として記憶に残るのはサヨナラゲームとかが多いんですけど、最初に2軍の試合で初めてマイクの前に座ったときの印象と光景がすごく鮮明に残っています。『やっと仕事として、アナウンスをするんだ』と。91年3月の教育リーグ、相手は大洋ホエールズだったと思います。

 ロッテ浦和球場のマイクは、スイッチをプチっと入れるタイプ。入れたらしゃべらないといけないけど、入れてはしゃべれなくて切って、入れては切ってという繰り返し。その緊張感を思い出します。一番印象に残っている試合ですね」

■谷保 恵美(たにほ・えみ)

 1966年5月11日生まれ。北海道帯広市出身。帯広三条高では野球部マネージャー。札幌大女子短大に進学後も札幌大野球部のマネージャーを務める。90年にロッテオリオンズ入社。91年から主に2軍の球場アナウンスを担当する。94年からは主に1軍本拠地を担当し、96年10月1日の近鉄25回戦以後は1試合も休むことなく連続担当を継続中。昨年7月30日のオリックス戦で担当1800試合を達成した。今季ウグイス嬢歴30年となる。右投右打。(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)