サッカーIQラボ〜勝負を決めるワンプレー~Questionこのあとレバンドフスキはどうしたか? ロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)の、ストライカーとしての偉大さを説明するのは容易い。彼ほどゴールによって自らの存在価値を証明してきた選…
サッカーIQラボ
〜勝負を決めるワンプレー~
Question
このあとレバンドフスキはどうしたか?
ロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)の、ストライカーとしての偉大さを説明するのは容易い。彼ほどゴールによって自らの存在価値を証明してきた選手はそういないからだ。どんな形からでも点を奪うその姿は、まさにストライカーの理想像と言える。
18歳でポーランドの当時3部リーグの、ズニチュ・プルシュクフよりプロキャリアをスタートすると、いきなり15得点で得点王となり、チームは2部に昇格。さらに翌年も21得点で得点王となって1部昇格に貢献した。
それからレフ・ポズナン、ドルトムントと、渡り歩くクラブで必ずリーグ得点王に輝き、2014-15シーズンに名門バイエルンへ移籍しても、その得点力で不動の地位を築いた。
そして今季、バイエルンはリーグ8連覇を達成。レバンドフスキは現在33得点とキャリアハイを記録し、あと1試合を残してブンデスリーガ5度目の得点王を確実にしている。
ゴール前でコウチーニョにパスが渡る。レバンドフスキはどんなプレーをしただろうか
このチャンピオンズリーグのトッテナム戦でのゴールは、いかにしてゴールの山を築いてきたかを象徴するシーンだった。後半42分、イバン・ペリシッチからフィリペ・コウチーニョへパスが渡ろうとする時、レバンドフスキはどうしただろうか?
Answer
プルアウェイでパスを呼び込んでシュート
おそらくレバンドフスキは、キャリアのなかでこの動きを何千回何万回と繰り返してきたはずである。ゴールまでの一連の動きはあまりに無駄がなく、洗練されたものだった。
バックステップで右に開いたレバンドフスキは、コウチーニョからのパスをダイレクトでシュートしてゴールを決めた
ペリシッチから、中央でフリーのコウチーニョへパスが出された瞬間だ。ペナルティーエリア内のレバンドフスキは、バックステップを踏んで相手DFの視界から消えるように右方向へ流れていった。
この時、守備側のトビー・アルデルヴァイレルトとヤン・フェルトンゲンは、この位置でボールを持たせては極めて危険なコウチーニョに釘付けだった。それはマークしていたはずのレバンドフスキへの意識が、一瞬途切れるのに十分な理由である。
その一瞬の隙でレバンドフスキの準備は完璧だった。相手と絶妙な間合いを取り、半身となった体の向きは、左サイドネットへシュートを打つために最適な角度だ。そしてコウチーニョが右足のワンタッチでボールを流した。
パスは多少難しいバウンドだったが、準備ができているからタイミングを詰めて柔軟に対応する余裕があった。右足のダイレクトで叩いたそのシュートは、あまりにイージーに見えた。しかし、技術は完璧なものほど簡単に見える。これはストライカーの極みに達したレバンドフスキの、完璧な一連の動きによるスーパーゴールだった。