19日の広島との開幕戦で5回2失点で降板し負け投手となったDeNA今永

 広島との開幕3連戦を1勝2敗で終えたDeNA。地元での開幕カードで思わぬ負け越しスタートとなったが、3人の先発投手はいずれも5回以上を投げて2失点以内に抑え、ラミレス監督も一定の評価を与えた。

 開幕投手は2年連続となる今永昇太。8回無失点で勝ち投手となった昨季に続いて開幕勝利でチームを勢いづけるはずだったが、5回7安打2失点で降板し、チームも敗れてその目論見は外れた。それでも間違いなく、収穫はあった。負け投手になった左腕エースだが、試合後の会見でも下を向くことはなく、大瀬良とのエース対決を「あらゆる面で、とても勉強になった」と前向きな姿勢を見せた。

 試合前から降り続いた雨で、30分遅れでの試合開始となった。「開始時間が変更になった後、もう1度ブルペンで投球練習をした。15球ぐらい投げてマウンドに上がった」という今永は、「まずは1回りをしっかり抑えてということを課題に置いて、その後は相手の対策に備えるつもりだった」と今季初登板に挑んだ。

 その言葉通り、4回までは無失点に抑えた。初回と2回には先頭打者に安打を打たれたが、ラミレス監督が「ストレートも球速が出ていたし、カットボールなど変化球もよかった」と評価したように、走者を進めることなく広島打線を封じた。4回1死三塁のピンチも切り抜けたが、勝利投手の権利がかかった5回に1死から田中広に三塁打を打たれ、続く投手の大瀬良には初球にタイムリーを許した。さらにピレラに安打でつながれた後、2死から西川に勝ち越し打を打たれ、リードを守れずマウンドを降りた。

 試合後、今永は「5回の失点の仕方がよくなかった」と、降板につながった2失点を反省した。

「4回までの自分とはちょっと違っていた。それまで球数も多かったし、5回に入った時にはまた雨も強くなっていたので、テンポアップしようと思った。7番からの打順だったので、ポンポンと抑えられたらと思ったが、少し単調になってしまった」

 1死をとった後、8、9番に連打されて同点に追いつかれた。「田中さんへの1球がもったいなかった。大瀬良さんには初球を打たれてしまったのが課題。あの失点がなければ、6回以降も続投できたと思う」と悔やんだ。

広島のエース大瀬良は4安打1失点の完投「マウンドでの立ち振る舞いを見て、自分との違いを探した」

 タイムリーを打たれた大瀬良には、本業の投手としても差を感じていた。降板後は「大瀬良さんのマウンドでの立ち振る舞いを見て、自分との違いを探した」という。

「雨でマウンドの状態が悪い中、下半身が安定していて再現性の高いフォームだった。自分はバラバラでバランスも合っていなかった」

 5回で降板した今永は93球。完投した大瀬良は8回終了時点で83球と、投球内容の違いも歴然だった。

「チェンジアップをストライクゾーンに残さないように投げようと意識したが、もっと精度を上げる必要があると感じた。真っ直ぐのほかに、もうひとついいボールを見つけて投げていかないといけないと思った」

 3か月遅れでの開幕となったが、「雨で暑くもなかったし、特に変わりはなかった」と影響は否定。それだけに、完投勝利を飾った相手エースとの差も感じていた。「なかなか思うように調整ができなかった分、大瀬良さんが純粋にすごいと思った。球数に関しては、それほど気にはしないようにしているが、大瀬良さんと比べると目に見えて差があることを開幕戦で見せつけられた」。

 2年連続での開幕戦勝利はならなかったが、ラミレス監督は「球数が多かったので5回で降板させたが、内容は悪くなかったし、相手が大瀬良でなければ勝てたのではないかと思う。期待通りの投球だった。次戦に期待したい」とエースへの信頼は揺るがない。

 1998年以来のリーグ優勝へ、大黒柱となるべきエース左腕。「今日の大瀬良さんの投球を参考にして、自分の教訓にしたい。こういうピッチャーにならないといけないと思ったし、とても勉強になった。負けがついてよかったと思う」。敗戦をいかに自分の糧にするか。かつてない異例のシーズンは、まだ始まったばかりだ。(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)