Jリーグと日本野球機構(NPB)は22日、「第10回 新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施した。 3月から実施されてきた対策連絡会議も10回目を迎える中、プロ野球は19日にシーズンが開幕。JリーグはJ2の再開とJ3の開幕が27日に、J1…

Jリーグと日本野球機構(NPB)は22日、「第10回 新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施した。

3月から実施されてきた対策連絡会議も10回目を迎える中、プロ野球は19日にシーズンが開幕。JリーグはJ2の再開とJ3の開幕が27日に、J1の再開が7月4日と迫っている。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が始まった当初から、様々な対策や方針を打ち立ててきた3人の専門家は、7月10日から実施される観客を入れての試合開催について見解を示した。

賀来満夫氏(東北医科薬科大学医学部・感染症学教室特任教授)は「日本では感染状態が小康状態ということは事実だと思います。ただ、一部東京では検査体制が変わったこともありますが、感染が完全に低下していない事実があります」と現在もまだ感染が抑えきれていないとコメント。その中で「我々は5月22日の段階で、観客の方が入った段階でどのようなリスクがあるか、リスクを下げられるか、色々な議論をさせていただいた。今までの応援のスタイルとは違ってくることになります」とこれまで通りにはいかないとコメント。「感染対策をしっかりと行っていく。1人1人が検温のチェックなどを踏まえて、新たな応援スタイルを確立していただきながら、7月10日から観客を入れていただくということ。社会の経済活動が再開したことも踏まえてとなる。ただ、感染は完全にゼロになってはいないので、しっかりと感染対策を行ってやっていただくということです」と観戦に行く方の健康管理が重要だと語った。

同じく専門家チームの三鴨廣繁氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)は今後の中止があるかどうかについて「行政との関連が大きい。スポーツ庁、行政、都道府県知事のお考えに従うということになると思う」とコメント。「都道府県知事の姿勢に逆らって試合を続けることはあり得ない。そこの判断に従うことになると思う」とし、感染が再び拡大した場合は中止の判断もゼロではないと指摘した。

また舘田一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座教授)は「7月10日が現段階での予定となります。今でも東京では30〜40人の感染患者が見られている。水面下でどういった動きがあるのか、予断を許さない状況であると思っている」と油断してはいけないと見解を示し、「来週、再来週の感染患者の数を見ながら、その段階で東京アラートが出るのか、国の方針が出るのかにもよりますが、専門家としては我々の分析、解析でやるべきではないと出てきたら、今の段階でお客さんを入れないほうがいいのかという話が出ることもある」とし、行政の判断の有無に関わらず、状況によっては観客動員の中止を進言することもあるとした。

19日に開幕したプロ野球だが、一部のファンが球場外に100人規模で集まるという事態が起こっていた。その件について賀来教授は「プロ野球の試合が始まることに関して、球場外でのリスクという点では、多くの方が集まって、三密になってということは起こり得る可能性はある。こういったことについては、しっかりと啓発というか、ある程度リスクがあるということを伝えていかなければいけないと思う」とし、改めて注意喚起を行うとコメント。

また、今後球場に足を運ぶことになるであろう観客についてもメッセージを送った。

「ドーム、屋外球場でも密室ではないです。ただ、密接だったり密集はされていく。今までのような、コロナが収束してきてある程度昔のような応援風景も将来は復活すると思いますが、それまでは新たな応援スタイルをみんなでやっていこう。お互いをスタジアムに来た人同士が、うつさないように、うつらないように、手洗いやマスクなどをしっかり行うことが大事になる」

「選手、スタッフは健康管理をしていますが、観客も健康管理を行って、大声で話さないなどを守りながら、新たな応援スタイルを作って欲しいです。それを作ることが選手を応援することにもなる。観客からクラスターが出れば、選手、スタッフ、観客、日本国民にとっても悲しいこと。ウィズコロナの時代を共に戦っていく、協力して盛り上げて応援していこうと思います」