プロ初登板初先発となった21日の日本ハム戦は6回5安打3失点で負け投手に■日本ハム 12-2 西武(21日・メットライフ) 3年目の西武・與座海人(よざ・かいと)投手が21日、メットライフドームで行われた日本ハム戦でプロ初登板初先発。6回5…

プロ初登板初先発となった21日の日本ハム戦は6回5安打3失点で負け投手に

■日本ハム 12-2 西武(21日・メットライフ)

 3年目の西武・與座海人(よざ・かいと)投手が21日、メットライフドームで行われた日本ハム戦でプロ初登板初先発。6回5安打5奪三振3失点と好投しながら、打線の援護なく敗戦投手となったが、万感の思いで振り返った。

「1球の失投を一振りで仕留められた。やはり甘くない世界と実感しました」と言う通り、ソロ本塁打を2発被弾。両軍無得点で迎えた2回、中田に真ん中に入った127キロのストレートを右中間席に叩き込まれ、4回には大田に真ん中外寄りのカーブをバックスクリーンの左まで運ばれた。

 いまや“絶滅危惧種”ともいわれる希少なアンダースロー。「120キロとか130キロの真っすぐに打者が差し込まれたり、100キロ台のカーブに泳がされたりするところが、僕としては楽しい。そういうところに快感がある」と語る。

 そんな持ち味を十分に発揮した。この日もストレートはMAX131キロに過ぎず、120キロ台がほとんど。6回には、近藤に右前適時打を浴び、なおも1死一、二塁のピンチを背負ったが、王柏融に対し、124キロの内角低めシンカー、125キロの真ん中高めストレート、127キロの真ん中低めシンカーで空振り3つを奪い、3球三振に仕留めた。

西武辻監督も評価「非常に今後につながる。イケると感じた」

 3球の球速がほとんど同じで、いずれもストライクゾーンをわずかに外れていたのがミソだった。続く渡辺にはフルカウントから、外角高めにボール気味の127キロのストレートを投じ、ハーフスイングを誘って三振に切って取った。

 試合は救援投手陣が打ち込まれ、2-12の大敗となったが、辻監督が「與座はよく投げたと思うよ。ホームラン2本は甘く入ったのをうまく打たれたけど、しようがない。非常に今後につながる。イケると感じた」と高く評価したのも当然だろう。

 ドラフト5位で岐阜経済大(現・岐阜協立大)から西武入りしたが、入団前から炎症を抱えていた右肘の状態が悪化。2軍戦にすら登板できないまま、1年目の一昨年10月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、育成選手に降格した。地道なリハビリに耐え、昨年9月に2軍戦2試合に登板。11月に支配下登録選手に復帰したばかりだ。

「今まで支えてくれたトレーナーさんや周りの方々への感謝を胸に、マウンドに上がりました」と心境を吐露した。初白星こそお預けとなったが、手薄な先発投手陣にあって不可欠な存在となりそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)