2012年以来の日本一を目指す巨人、その前に立ちはだかる難敵は?

 プロレス界きっての巨人党として知られる新日本プロレスのタイガーマスク。特に、現役時代から大好きだという原辰徳監督とは、指揮官がプロレス好きという縁もあり、親交が深い。昨年に続き、今年も2月に巨人の2次キャンプ地である沖縄を訪問。2年連続のリーグ優勝、そして2012年以来8年ぶりの日本一に向けて、熱いエールを送った。

 原監督との会話から「今年は意気込みが違う」と感じたというが、愛する巨人が歩む日本一への道のりにおいて最大の壁として立ちはだかるのは、昨シーズンに続き、ソフトバンクではないかと予想する。

「もちろん、セ・リーグのどの球団も侮れませんが、監督は今年、ものすごく気合が入っていましたから。底力を見せてくれると思うんでよ。となると、パ・リーグはやっぱりソフトバンクですよね。強い。鉄板ですよね(笑)」

 その強さに改めて圧倒されたのは、昨シーズンの日本シリーズだった。敵地で迎えた第1戦、巨人は2回に先制点を挙げるが、直後に逆転されて黒星。第2戦は6回まで両チーム無得点の緊迫した試合展開となったが、7回と8回に6点を許した巨人は、9回に3点を挙げたが追いつけず。2連敗で東京に戻ってきた。

「2戦2敗した時に『これは、もしかして……』と、嫌な予感はしました(苦笑)。先制しても逃げ切れないし、先制されたら追いつけない。選手のコマが不足していたのか、作戦が失敗したのか。僕、巨人のチーム関係者の方とよく連絡を取るんですけど、去年はちょっと電話はできなくて、メールだけにしました。『悔しいです』くらいに(笑)」

G党・タイガーマスクを唸らせるソフトバンクの選手とは…

 大のG党・タイガーマスクに「全部持っていかれるなんて……」と肩を落とさせたソフトバンクだが、同じプロスポーツ選手として「敵ながらあっぱれ」と一目置く選手がいる。それが、強肩で盗塁を刺しまくる捕手・甲斐拓也だ。

「甲斐キャノンはすごいですよ。小さくてもガッツ溢れるスタイルが好き。盗塁は必ず刺すっていう、あれは見事です。本当のプロ、職人だと思うし、何よりカッコいいですよね。二塁以上は行かせないっていう気持ちがすごく出ている。ソフトバンクは柳田(悠岐)選手もいいですよね。チームがすごく一致団結しているのが分かる。野手では松田(宣浩)選手が一番ベテランくらいでしょうけど、全く年齢を感じさせない。僕もそういう試合をしていきたいと思います」

 プロレスと野球。ジャンルは違えど、ファンの前でプレーするプロとして、大いなる刺激を受けている。

「たまに練習を見させてもらうこともあるんですけど、ベテラン選手でも特守とかやってますよね。ベテランになっても、ああいう地道な努力は大切。年齢とともにやらなければいけないことは出てきて、今までと同じ練習じゃダメになるんですよ。だから、野球に限らず、ベテラン選手の姿はすごく参考になります。例えば、カズ(三浦知良)さんは53歳ですよね。でも、若い選手と同じフィールドで活躍している。それには相当、メンタルの強さも必要だと思うんですよね」

 新日本プロレスでも次々と若いレスラーが誕生するが、その才能を十二分に発揮させるためにも、ベテランとして大きな壁となって立ちはだかる。それぞれのジャンルを牽引するベテラン選手たち。彼らに共通するのが「メンタルの強さ」だという。

「気持ちでは絶対に負けない、という思いは強いと思いますよ。あと、ベテランにはベテランしか持っていないものが絶対にある。経験にしろ、技術にしろ、若い選手にはないものがあるんですよ。それを今の流れに飲み込まれないで、試合の中でしっかりと出せているかどうか。スポーツ全般に言えると思うんですけど、その軸ってすごく大事なんですよ。自分なりの軸を作れるのがプロ。そして、周りに流されず自分を出していける人が、すごく貴重な存在になるんだと思います」

タイガーマスクの「僕が野球選手だったら…」の問いに原監督は…

 どんなスポーツを見ていても、目を惹かれる選手には「軸」があるという。そして、素晴らしいプレーを見ると「すごい」と思うだけにとどまらず、その素晴らしさの影にはどれだけの努力があるのか。「選手であれば全員、その裏を見てみたくなると思うんですよね」というタイガーマスクが、いつか見てみたいと熱望するのが「原監督の采配の裏」だ。

「見てみたいです! 僕は原監督と会う時はいつも、すごくそういう部分を聞いてみたいんですよ。どういう思いで采配しているのか。でも、そういう話をする前に、監督がバットを腰に当てながら『この前の大会の試合さぁ』ってプロレスの話を始めてしまうので(笑)。一度プロレスの話が始まると、そのままプロレスの話で終わってしまうんですけど、『タイガーもよくやってるよな、すごいな』って言って下さるので励みになります。『もう終わりだろ』なんてことは、絶対に言わないですから。

 ただ1回、『僕が野球選手だったら、もう終わりですか?』って聞いたことがあるんです。そしたら、爽やかな笑顔を浮かべながら『終わりだね!』って言われました(笑)。そこはバッサリと。僕もコケながら『そこはダメですか?』って言ったら、『うん、ダメなものはダメだな』って。いつもニコニコしている原監督ですけど、見えないところでは一番厳しいっていろいろな方から聞いているんですよ。実際、原監督の傘下に入ったら、怖いんだろうなって思いますね(笑)」

 新型コロナウイルスの影響で延期されていたプロ野球は、6月19日に開幕。今年も巨人愛、原辰徳愛に溢れるタイガーマスクを大いに楽しませてくれそうだ。(Full-Count編集部)