ジョコビッチ主催大会、観客席は密？疑問の声に「僕が決めることじゃない」

世界王者ノバク・ジョコビッチ（セルビア）が主催するチャリティーのテニス大会「アドリア・ツアー」が、セルビアのベオグラードで先週開幕し、数千人のテニスファンが集まった。ジョコビッチの他にはドミニク・ティーム（オーストリア）、アレクサンダー・ズベレフ（ドイツ）、グリゴール・ディミトロフ（ブルガリア）らのトップ選手が出場。【実際の動画】ジョコビッチが泣きながらも感謝のスピーチ

しかしながら、スタジアムに座る観客がソーシャルディスタンスを守っていないように見えたことに、疑問の声が上がった。その上、マスクをしている人も少数だったと、ウェブメディア Essentially Sportsが伝えている。

前代未聞の新型コロナウイルスによるパンデミックの中で開催されているのにも関わらず、イベントでは満員の観客がぎっしりと座っていた。だがそれはセルビア政府の出しているルールに従っていると、ジョコビッチは話した。

「アドリア・ツアー」開会式の前に、ジョコビッチは「国によって感染状況や対応方法は異なっている。国際的な基準を考え出すことは難しい」と語った。

「危険ではないかと批判する人もいるかも知れない。でもここで、人の健康について何が正しくて何が正しくないとか僕が決める立場じゃない。我々は、セルビアの政府からの指示に沿ってやっている」

「もちろん、この国でも世界中でも多くの命が失われ、悲惨な状況だった。けれど、人生は続いていくんだ。僕たちアスリートはコートで競い合える日を待ち望んでいる」とジョコビッチは締めくくった。

セルビアでは新型コロナウイルスの感染者は1万2千人以上、死者は約250人出ている。だがセルビア政府は最近、外出規制を解除。政府は国民に1メートル以上のソーシャルディスタンスを保つように言っているが、先月大部分の規制を解除してから、また感染者数が増え始めているようだ。

なおジョコビッチは、課せられる規制が厳しすぎるという理由で2020年の「全米オープン」には出場しない可能性を示唆。同行できる人数が少ないのは選手にとって受け入れ難いことだとしている。

（テニスデイリー編集部）

※写真は「アドリア・ツアー」でのジョコビッチと選手たち

(Photo by Srdjan Stevanovic/Getty Images)