サッカーIQラボ
〜勝負を決めるワンプレー~

Question
ここからバルセロナはどう崩したか?

 今年1月にキケ・セティエンを新監督に迎えたバルセロナ。リーガが再開した現在、レアル・マドリードとし烈なタイトルレースを演じている。

 バルセロナはストライカーのルイス・スアレスが1月カップ戦で右ヒザを負傷(再開後のリーガで復帰)。直後のチームは大きな得点源であるエースストライカーを失い、大黒柱のリオネル・メッシへの負担がより大きくなっていた。

 しかし、組織での攻撃にも優れているのが、バルセロナの特徴でもある。第23節のベティス戦のゴールは、まさにそれを印象づけるシーンとなった。



メッシがボールを持ちながらルックアップするお馴染みの形。ここからバルセロナはどう崩したか

 前半9分、メッシが中盤でボールを持ち、中へ切り返すと左サイドにアントワーヌ・グリーズマン、中央にはアルトゥーロ・ビダルとフレンキー・デ・ヨングがいた。さて、ここからバルセロナはどう崩したのだろうか?

Answer
デ・ヨングが裏へ抜け出して浮き球のパス

 メッシが前を向いてボールを持った時が、バルセロナにとって攻撃のスイッチが入る瞬間である。この場面でもそのスイッチが入った瞬間に動き出している選手がひとりいる。2列目のデ・ヨングだ。



ビダルとグリーズマンのポジショニングにより、デ・ヨングがフリーで飛び出すことができ、メッシからのパスを受けてゴールした

 この場面で大事なのは、バルセロナの選手たちのポジショニングによる前線の優位性だ。中央にビダル、左サイドにグリーズマンが立つことによって、ベティスの守備陣は不利な状況に追い込まれている。

 中央のグイド・ロドリゲスはビダルのマークにピタリとつき、左サイドのアイサ・マンディはやや中央に絞りながらもグリーズマンに対して睨みを利かせていた。しかし、それは同時に、ビダルとグリーズマンによって、その場に釘付けにされているという意味でもある。

 この状況を見て素早く動き出したデ・ヨングは、2列目から一直線に相手ディフェンスライン裏へ走り抜けた。ロドリゲスとマンディの2人は互いにマークから離れられず、フリーのデ・ヨングの進入をただ見送って許してしまった。

 それを見たメッシから、柔らかく正確な浮き球のパスがデ・ヨングに通って、ゴールが決まった。守備側の最終ラインが、2列目から飛び出してくる攻撃の選手を捕まえるのは、ただでさえ難しい。それがビダルとグリーズマンによってポジション的な優位を取られていた時点で、ベティス守備陣は詰んでいた。

 バルセロナらしい、見事な中央の崩しからのゴール。この試合、バルセロナは3-2で点の取り合いを制した。