6月13日放送の「卓球ジャパン！」は、「東京オリンピック金メダルへ 水谷隼＆伊藤美誠 2人の進化をDEEP解説」」と題して、日本最強ペア『じゅんみま』の試合をピックアップ。ゲストには、伊藤とペアを組んで全日本選手権・ミックスダブルス3連覇中…

6月13日放送の「卓球ジャパン！」は、「東京オリンピック金メダルへ 水谷隼＆伊藤美誠 2人の進化をDEEP解説」」と題して、日本最強ペア『じゅんみま』の試合をピックアップ。

ゲストには、伊藤とペアを組んで全日本選手権・ミックスダブルス3連覇中の森薗政崇が登場。MCの武井壮から今回の出演に対し「複雑な気持ち？」と聞かれ「なかなか"卓球ジャパン！"ドSだなと（笑）」と笑いを誘いつつ、「僕にしかわからないような目線で！」と2人のプレーを深掘りした。

取り上げる試合は、2020年3月のITTFワールドツアー・カタールオープン、ミックスダブルス決勝、王楚欽／孫穎莎戦。中国の若手最強ペアを3-1で下し、今シーズン初のツアー制覇を果たした一戦だ。





ゲームスタート1本目から森薗が注目したのは、伊藤のバックハンドでのレシーブ。通常、右利きの選手がバックでレシーブした際、パートナーの前を横切りつつ右側に逃げていくのだが、伊藤は左側に逃げている。

「何年か前、伊藤選手がダブルスのレシーブを模索している時に、"これ全然動けるんだけど"と言っていて、僕と組んだ（2017年の）アジア選手権の時に急に取り入れた動き。伊藤選手は逃げる動作が早くて、視界の邪魔にもならないし、デメリットが見当たらない」

ちょっとしたレシーブの動作にもトップ選手ならではの工夫があるのだ。



今回の解説では、試合を振り返りつつ、伊藤と水谷それぞれの強さの秘密を存分に語ってくれている。まず伊藤の場合、特筆すべきポイントはこの試合でも相手の王楚欽を苦しめたサーブだ。

実際に伊藤のサーブを受けたことがある森薗も「全然取れないです。回転量が多いわけではないけど、スイングが速すぎて回転がわからない。飛び方も工夫していて、本来ならば下回転と上回転の軌道は違うのに、それを統一させるので手元までどっちかわからない」と語るほどだ。



そして、相手のみならずパートナーの想定をも超える"意外性"が伊藤の真骨頂。

「伊藤選手に自由にプレーさせると何やるかわからないから待てないんですよ。相手にとっても脅威だけど、自分にとっても脅威」と森薗。

「ミックスダブルスで対戦してやりにくいと思った女子選手いる？」という質問には「伊藤選手よりもやりづらい選手を知らないので、"敵は我にあり"という感じですね（笑）」と答えている。

しかし、そんな伊藤の強さを引き出せるのが水谷の凄さだと森薗は語り、自分と組んだ時との違いを聞かれた時にはこのように分析。

「伊藤選手がこの試合でサービスエースをすごくとっているけど、僕と組んだ場合はこうなっていないはずです。というのも、伊藤選手のサーブは威力がすごく高いかわりに、返ってくると回転が読めなくて、綺麗に3球目が打てないので、僕が嫌うサーブでもあるのです。

だから僕と組んだ時は気を使って、サーブの威力を抑えて縦回転重視になるのですが、水谷選手は3球目でしっかり対応できるから、伊藤選手は思い切ってサーブが出せるというのはあると思います。水谷選手の対応能力はずば抜けていて、誰も真似できません」と絶賛。



ダブルスのスペシャリストとして名を馳せる森薗でも付いていくのに必死だという伊藤の多彩さ。そして、それを受け止め切れる水谷の対応力。この2つが噛み合って、日本最強ペアは生まれているのだ。

また、同じくカタールオープンに出場していた森薗だからこそ知っているこんなエピソードも披露。

第4ゲーム、6-5で水谷が強烈なチキータレシーブを決めたシーンを見た時のコメントだ。「（序盤の試合では）水谷選手のチキータが狙われたり、ミスをするというのがすごく多くて、まわりの選手からも「水谷さん、質低くない？（笑）」って言われていたんです。だけど大会の途中で調整し、この決勝では急に強気で攻め出した。試合の中でモノにしていく、勝負強さはすごいなと思いました」

左上から 宇田幸矢、森薗政崇、張本智和、日髙達也男子日本代表コーチ


『じゅんみま』の今後の課題については「正直もうどこが弱いとかはないし、特別に新しいことをするべきというのも思い浮かびません。もっと2人で過ごす時間を増やして、たくさんの試合をして、お互いに信頼感を高めればいいと思います」と、国内でのパートナーも太鼓判。

東京オリンピック1年延期は、このペアでの経験の浅い水谷隼／伊藤美誠にとっては大きなプラスに働くはずだ。さらなる進化、そして東京での金メダルに期待しよう。

そして次回は、ベテラン卓球ファン大興奮の企画。4人の世界チャンピオンが激突した、世界卓球2000男子団体決勝・スウェーデンvs中国、という卓球史に残る伝説の一戦を、日本卓球界のレジェンド、松下浩二が2週にわたってDEEP解説する。永久保存版、超レアな回になること間違いなしだ！


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