新型コロナウイルスの影響で、10月に予定されていたF1日本グランプリ(三重県・鈴鹿サーキット)の中止が決まった。12日に国際自動車連盟から発表された。同時にアゼルバイジャンGP、シンガポールGPも中止となることが明らかにされた。 昨…

 新型コロナウイルスの影響で、10月に予定されていたF1日本グランプリ(三重県・鈴鹿サーキット)の中止が決まった。12日に国際自動車連盟から発表された。同時にアゼルバイジャンGP、シンガポールGPも中止となることが明らかにされた。


昨年のF1日本GPのスタートシーン(モビリティランド提供)

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 日本GPは1976、77年に富士スピードウェイ(静岡)で開催され、10年の空白期間を経て1987年に鈴鹿で復活。一時は富士に舞台が移った時期はあったものの、昨年まで33年連続で開催されていた。シリーズカレンダーに組み込まれた後の中止決定は今回が初となる。

 鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドの田中薫社長は「F1日本グランプリについて、開催を目指して準備を進めておりましたが、国内外における今後の状況変化や、渡航規制の解除が見通せない状況のなか、安心・安全な環境で開催するための準備期間も考慮し、やむなく中止の判断をいたしました」とコメントした。

 開催中止の判断については感染防止対策の難しさが挙げられる。

 昨年の決勝日には8万9000人が来場した。サーキットへの交通手段として自動車と電車がある。電車については第3セクターの伊勢鉄道を使って鈴鹿サーキット稲生駅から徒歩で向かうことができるが、近鉄は最寄り駅の白子駅からバスに乗り換える。


日本GPではグランドスタンド裏にも多くの観戦客が(モビリティランド提供)

 前売り券の販売枚数を制限したとしても近隣住民も通勤、通学で利用するし、レース後は駅に観戦客が殺到するため、「密」は避けられない。

 6月時点で渡航規制の解除の見通しが不透明であることも大きい。無観客で開催する選択肢もあるが、F1チーム、運営側、撮影クルーを含めると1000人近くが海外から遠征する。鈴鹿市やその周辺に関係者が集中すれば、感染リスクは高まる。

 しかも渡航の制限が緩和されることが決まっているのはタイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国。F1の拠点がある欧州各国からの渡航が保証されていない現状では、見切り発車するわけにもいかない。

 関係者の話によると、日本GPなどが中止となった反面、F1側は延期状態になっている中国GPを秋に開催したい意向という。詳しい理由は定かではないが、数多くの中国企業がF1チームのスポンサーをしており、「資金源」を切り捨てることができなかったのではないかとみる。

 機材搬入などのロジスティックスを考慮すると、中国GPの前後に他のアジア開催のグランプリを実施する旅程を組むことになる。しかし、中国・武漢がコロナの発生源と指摘されている以上は、防疫上の観点から中国を軸とする連続開催は難しい。

 感染リスクのある中国では開催しないと春先の早い段階で発表していれば、事態が変わっていた可能性はある。ひょっとしたら、ベトナム、シンガポールとつなぐ開催スケジュールを組むことはできたかもしれない。

 中国GPを中止にできないF1側のあきらめの悪さに強い不満を覚える。

[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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