コロナ禍により中断を経て、リーガ・エスパニョーラが3カ月ぶりに再開する。6月11日のセビージャダービー、セビージャ対ベ…
コロナ禍により中断を経て、リーガ・エスパニョーラが3カ月ぶりに再開する。6月11日のセビージャダービー、セビージャ対ベティスが先陣を切る。当面は無観客試合となるが、ラジオ局『COPE』は「6月29日以降、30%の観客動員が許される」とすっぱ抜いている。今後も随時、動きがあるだろう。
注目される優勝争いは、バルセロナとレアル・マドリードの2強にほぼ絞られている。首位のバルサは勝ち点2差で、2位のレアル・マドリードをリード。ただ、どちらも近年と違って勝ち点を落としているのが今季の特徴で、予断を許さない。
優勝争いのキーマンは誰か? その舞台に”いるはずではなかった”2人の選手が、存在感を放ちそうだ。

全治4カ月の負傷から復帰間近のルイス・スアレス(バルセロナ)
バルサは、ウルグアイ代表FWルイス・スアレスが、今年1月のスペインスーパーカップ準決勝のアトレティコ・マドリード戦で負った右膝外側半月板損傷から戻ってくる。全治4カ月。本来であれば、リーグ最終節にベンチ入りできるかどうか、だった。だが、コロナ禍による中断で間に合った。
スアレスは負傷で戦線離脱をするまで、リーグ戦だけで11得点を稼ぎ出しており、アシストもチーム最多の7だった。バルサの攻撃を、リオネル・メッシとともに担っていた。獰猛に狡猾にゴールを狙い、相手ディフェンスが心身ともにすり減らすような強大な圧力をかけられるだけに、周りのプレーが楽になるのだ。
「スアレスとプレーすることで学びたい」
デンマーク代表FWマルティン・ブライスワイトが謙虚に言うほど、その能力は図抜けている。
再開にあたって、選手交代は従来の3人から、緊急的に最大5人までが許されることになったが、バルサのパスワークに対しては、「人を入れ替えて守れる相手が有利になる」という声が多い。その点でも、スアレスのように接近戦に強く、局面をこじ開け、シュートを打てる選手は、勝負を左右するだろう。少しでもタイミングがあれば、足を振れるストライカーだ。
先日はカンプ・ノウで紅白戦を行ない、スアレスは勝利につながる1点を決めている。
一方のレアル・マドリードは、スペイン代表FWマルコ・アセンシオが、昨年7月以来、戦列に復帰する。プレシーズンマッチのアーセナル戦で、左ひざ前十字靭帯断裂及び半月板損傷で全治10カ月。シーズンを棒に振るケガになると思われたが、間に合いそうだ。
そのアーセナル戦で、右FWとして後半から投入されたアセンシオは、たった15分間で違いを見せつけた。カットインから左足を振って、ミドルシュートを右ポストに直撃。また、イスコからエリア内でボールを受け、GKと交錯すると、こぼれをガレス・ベイルが押し込んだ。さらに、左サイドのマルセロのパスをエリアで受けると、強烈なシュートをニアに打ち込み、ゴールを決めた。0-2で負けていた試合だったが、2-2に追いつく立役者になった。
しかしその直後、相手選手と交錯すると、左足から崩れ落ちる。ユニフォームをめくりあげて激しく噛み、両手で地面を叩いた。何が起こったのか、激痛とともに知っていたのだろう。
ジネディーヌ・ジダン監督は、アセンシオを攻撃の中心と考えていただけに、大きな誤算だっただろう。右にアセンシオ、中央にカリム・ベンゼマ、左にエデン・アザールが当初のベスト布陣だった。アセンシオは「偽9番」としてベンゼマの代わりもできたし、トップ下、もしくは2トップの一角も張れるはずだったのだ。
アセンシオは、ボールプレーの精度とインスピレーションに優れ、スモールスペースで力を発揮する。その一方、豪快に左足を振りぬくシュートやカウンターでの一気にゴールを撃ち抜く強度にも優れ、難点がない。スペイン人としては現役最高のタレントで、その復帰はチームの後押しになるはずだ。
もっとも、レアル・マドリードには同じポジションに有力選手が大勢いる。ウェールズ代表ベイル、ブラジル代表ロドリゴ・ゴエス、ヴィニシウス・ジュニオール、スペイン代表ルーカス・バスケスなど枚挙にいとまがない。最近はスペインの新鋭ブライム・ディアスも好調を維持しているという。ちなみに久保建英がマドリードに戻った場合も、このポジション、もしくはひとつ下で勝負することになる。
バルサは6月13日、敵地ソン・モイスに乗り込み、久保を擁するマジョルカと一戦を交える。マドリードは6月14日、ディ・ステファノ・スタジアム(普段はBチームであるカスティージャの本拠地だが、サンティアゴ・ベルナベウが改修中のため使用する)に乾貴士が所属するエイバルを迎える。残り11試合。まずは手探りの中での戦いになるだろう。
“いるはずではなかった”2人の男は、主役となるか。