スケートクリップ adidas Skateboarding presents /// SHIN

「日本に数多くいるスケーターのなかで、もっともスタイリッシュなのはだれなのか?」スケートボードに関心のある者なら一度はもつ疑問だ。
観点はさまざまにあるから単純化しすぎるのは危険かもしれないが、スケーターの間では必ずといっていいほど話題にのぼる人物がいる。湘南茅ヶ崎出身の27歳、三本木 心だ。
三本木の特長は、自身の経験に根ざしたスケートスタイルにある。舗装された道をサーフィンのように滑る「サイドウォークサーフィン」と称されるストリートスタイルである。子どもの頃から湘南のストリートで培ってきたスケートセンスにサーフィンの経験をプラスした結果、こうした独創的なスケートスタイルが誕生した。
おそらくいつの時代でも注目の的となるのは、こういうオンリーワンを体現する人間だ。「この分野においては右に出る者なし」という評価は、それだけで人の目を引きつける。昨年、アディダススケートボーディング(Adidas skateboarding)は、三本木を自社のインターナショナルチームに抜擢し、そして彼のカラーウェイモデルシューズの発売を決定した。
アディダスが日本人のモデルを発売するのはこれが初めてということから、彼のスケートが日本のみならず世界から注目されていることが分かるだろう。

映像本編 :
adidas Skateboarding presents /// SHIN

クリップの見どころ

その三本木のスケートを収めたクリップが、アディダススケートボーディング(Adidas skateboarding)のYouTube公式チャンネルにアップされている。
クリップでは序盤から、コンクリートの壁をまるで波のように乗りこなす三本木を見ることができる。撮影地はアメリカ(ロサンゼルス、ニューヨーク、フィラデルフィア)、ヨーロッパ、台湾。多種多様な土地で、セクションで、ストリートで繰り広げる三本木の妙技はスケーターならずとも必見だ。彼いわく「日本国旗の日の丸をイメージした」というカラーウェイモデルシューズも要チェック。


写真:本人提供

スケートを通して伝えたいこと

今回、クリップ紹介の記事掲載にあたって、本人からコメントをいただいた。以下コメント。

「俺がスケートを始めたころ、地元茅ヶ崎ではサーフィンが人気で、同じ横乗り文化のスケートボードに力を入れてる人って意外と少なかった。
だから、スケートで上を目指したいと思ってのめり込んでいったんだけど、そこにはサーフィンの影響も少なからずあって。むずかしいトリックよりも、むしろサーフィンのスタイルを大事にしてきた。そうして今がある感じかな。
スケートボードは幅広くて、みんなが思っているようなテクニカルなスケートがすべてじゃないんだ。俺がやってるようなスケートスタイルもあるんだよってことを、みんなには伝えていきたい」

スケートボード界にその名をとどろかせた三本木 心。今後のさらなる活躍に期待だ。


写真:本人提供

三本木 心

中学校2年生の頃、同じ茅ヶ崎市出身のプロスケーターの影響で本格的にスケートを始める。早くからその頭角を現し、「THE SURFSKATERS」といった大会で結果を残す。2019年にアディダススケートボーディング(Adidas skateboarding)のインターナショナルチームに所属。スポンサーはadidas、POLAR。自身のスケートスタイルを発信する27歳。


文・佐藤 稜馬