2010年にハイチで大きな地震があり、多くの人々が亡くなった。世界中が驚き、支援の手が差し伸べられた。テニスの元世界王者ロジャー・フェデラー(スイス)も、支援を行うことを決めた。だが、フェデラ…

2010年にハイチで大きな地震があり、多くの人々が亡くなった。世界中が驚き、支援の手が差し伸べられた。テニスの元世界王者ロジャー・フェデラー(スイス)も、支援を行うことを決めた。だが、フェデラーは小額の寄付でおさめるような人ではない。彼はそのために、テニスのイベントを企画した。フェデラーはたった一日でその企画を立てたという。その時のことを、ウェブメディアEssentially Sportsが振り返っている。【実際の映像】ダブルス戦でフェデラーvsナダルが観客を楽しませるプレー

イベントはチーム対抗で、フェデラーのチームにはセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)とサマンサ・ストーサー(オーストラリア)が参加。対抗するチームはラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、キム・クライシュテルス(ベルギー)という豪華メンバーだった。

もちろん人々はこのイベントを見ようと押し寄せた。イベント全体では60万ドル(約6,500万円)の寄付金を集め、ファンがこのイベントを見るために支払った寄付金だけでも20万ドル(約2,170万円)にのぼった。

イベントでは、選手たちの楽しいやり取りが会場をわかせた。その1つに、フェデラーが長年のライバルであるナダルの真似をしてみせたシーンもあったのだ。フェデラーは、ナダルが球を打つ時にいつも上げる唸り声を真似してみせた。選手たちはマイクを装着していたので、その声は会場に響き渡った。

ナダルはプレー中に唸り声を上げていたが、フェデラーはそれをユーモアたっぷりに真似してみせた。二人が唸りながら打ち合う一方で、ナダルのダブルスパートナーだったジョコビッチは退屈そうに座ってしまった。そして、フェデラーと組んでいたストーサーのスマッシュは座り込んだジョコビッチも飛び込んだナダルも返すことができず、フェデラーチームのポイントとなった。

同じようなハイチ支援のためのイベントがインディアンウェルズでの大会の前にも開催され、そこでもフェデラーはナダルの唸り声を真似した。これは二人がコートを離れても良い関係を築いていることの証だろう。テニスファンには忘れられない瞬間となった。

※為替レートは2020年6月3日時点

(テニスデイリー編集部)

※写真2010年ハイチ地震復興イベントでのナダル(左)とフェデラー(右)

(Photo by Mark Metcalfe/Getty Images)