14日、富士スピードウェイで走行が始まった世界耐久選手権(WEC)第7戦。初日を終えたトヨタGAZOOレーシングの中嶋一貴と小林可夢偉が、決勝に向けて順調な出足であった旨を語っている。走行初日、LMP1-Hクラスに参戦する2台の「トヨタTS…
14日、富士スピードウェイで走行が始まった世界耐久選手権(WEC)第7戦。初日を終えたトヨタGAZOOレーシングの中嶋一貴と小林可夢偉が、決勝に向けて順調な出足であった旨を語っている。
走行初日、LMP1-Hクラスに参戦する2台の「トヨタTS050 HYBRID」は、2回のフリー走行でのベストタイム的にはポルシェ、アウディ勢に先んじられる格好となった。だが、5号車の中嶋一貴、6号車の小林可夢偉はともに、内容面に関して良好な意のコメントを発しており、母国戦勝利に向けて一定以上の手応えがあることを感じさせてくれた。
#5 中嶋一貴のコメント
「ホームレースであり、好きなサーキットのひとつである富士でWECのレースを走ることができて嬉しいです。今日は多くのセットアップ作業をこなし、良い手応えを得ました。ロングランも行ない、決勝に向けて重点的に作業を進めましたが、マシンの感触はとても良いです。予選ではそれほど強さを見せられないかもしれませんが、決勝本番では良いペースで戦えると思っています」
#6 小林可夢偉のコメント
「ここ富士スピードウェイで、トヨタを応援してくれるファンのみなさんの前でレースができることを嬉しく思っています。今日は多くの距離を走ってセッティングを進めることができました。もう少し煮詰めたかった部分もありますが、今のところは概ね順調と言うことができると思います」
彼らの僚友ドライバーたち、5号車のA.デビッドソン & S.ブエミ、6号車のS.サラザン & M.コンウェイからも決勝レース重視でセッションを進めた意を含むコメントが出ている。一貴も言うように、予選で華々しい戦果を得ることは難しいかもしれないが、やはり今季ここまでのトヨタのレース傾向通り、決勝でしぶとく順位を上げていくような展開で今季初勝利を狙うことになりそうだ。
初日、トップタイムはM.ウェーバー組の#1 ポルシェで1分24秒074。#8 アウディ、#7 アウディ、#2 ポルシェが約1秒差の1分24秒968~1分25秒078に密集しており、トヨタの2台はさらにコンマ5秒ほど離れた1分25秒556(#6)と1分25秒657(#5)。
#1 ポルシェが約1秒という大きめなリードをとってはいるが、アウディ勢の初日の感触等を聞いたうえで考えると、見た目のタイム差ほどのパフォーマンス差はないとの見方もできそう。そもそもフリー走行のベストタイムは同列比較が難しいものであり、いずれにせよポルシェとアウディの予選での先陣争いは、やはり僅差ヒートアップ状態となることが大いに予想される。そして富士のコース特性や相性も考慮した場合、決勝ではトヨタも交えた3大ワークスの激闘実現も充分にあり得そうなところだ。
WEC第7戦・富士6時間レースは15日が予選、16日が決勝。富士スピードウェイでは当日観戦券の発売が行なわれる。
TOYOTA TS050 HYBRID(#5 & #6)写真:TOYOTA
#5 TOYOTA TS050 HYBRID(中嶋一貴組)写真:TOYOTA
#6 TOYOTA TS050 HYBRID(小林可夢偉組)写真:TOYOTA
中嶋一貴写真:TOYOTA
小林可夢偉(右はM.ウェーバー)写真:TOYOTA