中国・上海で開催されている「上海ロレックス・マスターズ」(ATP1000/10月9~16日/賞金総額545万2985ドル/ハードコート)のシングルス2回戦で、ともに休息をとってリフレッシュし、エネルギーを充填できたと感じている世界1位の…

 中国・上海で開催されている「上海ロレックス・マスターズ」(ATP1000/10月9~16日/賞金総額545万2985ドル/ハードコート)のシングルス2回戦で、ともに休息をとってリフレッシュし、エネルギーを充填できたと感じている世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と2位のアンディ・マレー(イギリス)が、ともにストレートセットで勝って準々決勝に駒を進めた。

 ジョコビッチは予選を勝ち上がったバセック・ポスピショル(カナダ)に対して6-4 6-4で勝利したが、その過程において一度だけサービスをブレークされた。大会戦績は26勝3敗に伸ばした。

 マレーは第13シードのルカ・プイユ(フランス)を6-1 6-3で下した。この試合のマレーは、自分のファーストサービスからの22ポイントのうち21ポイントを取り、わずか10本しかアンフォーストエラーをおかさなかった。

 ふたりは揃って、しばし休息をとったおかげで活力を感じていると口にした。

 先週は肘の故障のためチャイナ・オープンを欠場したジョコビッチは、全米オープン以降、まったく試合に出ていなかった。彼はメンタル的に疲労困憊させられた夏のあと、回復し、生活によりよいバランスを見つけ、テニスへの情熱を再発見するために時間を使ったと打ち明けた。

 ジョコビッチは休息と精神面での調整が、すでにコート上で自分を助けてもいると言う。一度サービスゲームを落としはしたが、ポスピショルに対してほとんど完璧な試合をプレーした、とさえ言った。

 「最初のポイントから最後のポイントまで、僕は今日の自分のプレーを非常にうれしく思う」とジョコビッチ。「(休んだからといって)レベルを落としてはいないと思うよ」。

 マレーは、デビスカップ準決勝「イギリス対アルゼンチン」戦でリーダーとしてチームを率い、またチャイナ・オープンで優勝するなど、ここ数週間はジョコビッチよりプレーしていたものの、彼もまたいくらかの休養をとっていた。

 「7、8日の完全休養をとったあと、身体の感じは見違えるようによくなったよ。もう長いこと、休みはとってなかったからね」とマレー。「休みをとって本当によかったと思っている。明らかに僕にとってはうまく機能しているよ」。

 マレーは、デ杯のシングルスで対戦したギド・ペラ(アルゼンチン)に対する勝利から数えてここ8試合で、一度もセットを落としていない。

 全米オープン優勝者のスタン・ワウリンカ(スイス)は、ふたりほど活力に満ちているようには見えなかった。第3シードのワウリンカはジル・シモン(フランス)に4-6 4-6で敗れた試合で、43本ものアンフォーストエラーをおかしている。

 第6シードのガエル・モンフィス(フランス)も大会を去ることになってしまった。彼は第11シードのダビド・ゴファン(ベルギー)に6-4 4-6 2-6で敗れた。

 そのほかの3回戦では、ジャック・ソック(アメリカ)が、彼にとって最良のシーズンにまたもブレークを果たし、第5シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を0-6 6-4 7-6(8)で下して、ATP1000で初の準々決勝に進出した。彼はタイブレークで2つのマッチポイントをしのいでいる。

 これはまた彼にとって、2013年以来のラオニッチに対する勝利でもあった。2013年の勝利以来、彼はラオニッチに8試合連続で、頻繁にタイブレークを戦った末に敗れていたのだ。

  「僕らは多くの接戦を行ってきた」とソック。「ついに彼に対してタイブレークで勝つことができて、すごくいい気分だよ。ここ数年起きていなかったことだ」。

 ソックの今年のハイライトは、リオ五輪のミックスダブルスで金メダル(パートナーはベサニー・マテック サンズ)、男子ダブルスで銅メダル(パートナーはスティーブ・ジョンソン)を獲得したことにある。彼は自己最高の22位に浮上し、全米オープンでは4回戦に進出した。

 ソックは次のラウンドで準決勝進出をかけて、ジル・シモン(フランス)と対戦する。

 アレクサンダーとミーシャのズベレフ兄弟は、一緒にベスト8入りするチャンスを擁していたが、勝ったのはひとりだけだった。

 世界110位のミーシャは、マルセル・グラノイェルス(スペイン)を6-7(4) 6-4 6-1で下し、今年、ATP1000の大会で準々決勝に進出した初の予選勝者となった。兄とときを同じくしてスタジアムコートでプレーしていた弟のアレクサンダーは、第9シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)に7-6(4) 2-6 5-7で敗れた。

 ミーシャは準々決勝でジョコビッチと対戦する。一方、マレーはゴファンと相対することになった。

 準々決勝の顔合わせはトーナメント表の上から、第1シードのジョコビッチ対ミーシャ・ズベレフ、第15シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)対 第9シードのツォンガ(フランス)、ソック対シモン、第11シードのゴファン対第2シードのマレーとなっている。(C)AP(テニスマガジン)