スポーツロスに嘆くファンへ「名珍場面特別編」―体重超過ネリの計量前日エピソード 新型コロナウイルスの感染拡大は収束の兆しを見せ、緊急事態宣言も全面解除された。それでも、多くのスポーツイベントが再開するまで、しばらく時間がかかる。スポーツロス…

スポーツロスに嘆くファンへ「名珍場面特別編」―体重超過ネリの計量前日エピソード

 新型コロナウイルスの感染拡大は収束の兆しを見せ、緊急事態宣言も全面解除された。それでも、多くのスポーツイベントが再開するまで、しばらく時間がかかる。スポーツロスに嘆くファンへ向け、過去の様々な競技で盛り上がったシーンを「名珍場面特別編」としてプレーバック。今回はボクシングの前WBC世界バンタム級王者ルイス・ネリ(メキシコ)だ。昨年11月、体重超過を犯した悪童について、チーフトレーナーのフレディ・ローチ氏は、計量前夜のネリの驚愕エピソードを明かしていた。

 ネリは昨年11月、WBCシルバー・バンタム級タイトルマッチの前日計量で上限を1ポンド(約450グラム)オーバーでクリアできず。一発クリアした元IBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトルコ)が試合の実施を拒否し、試合はキャンセルになった。

 ロドリゲス戦を前に新たな門下生となったネリの体重超過トラブルは名伯楽にとっても痛恨だった。マイク・タイソン、オスカー・デ・ラ・ホーヤというレジェンドを指導し、現在もパッキャオを支える殿堂入りトレーナーのローチ氏は米メディア「ボクシングインサイダー」で、計量当日に衝撃のエピソードを明らかにしていた。

 計量での体重超過後にインタビューに応じたローチ氏は「ネリは昨晩、冷蔵庫に向かったんだ。そこでレッドブルを見つけると、飲んでしまったんだよ!」と、計量前夜にネリがエナジードリンクを勝手に飲んでいた衝撃の事実を明かしていた。

 計量で1ポンド(約450グラム)超過していたネリ。主催者側からはリミットまで体重を落とした上での再計量を求められていたがこれをせずに、ロドリゲス側に金銭面の交渉を持ちかけたが、リングに上がることを拒否されていた。

 そんな騒動の裏側で、計量前日にネリは減量のラストスパートに向かうどころか、糖分の含まれるエナジードリンクを摂取していたというのだから開いた口が塞がらなかった。

ローチ氏も呆れる「そのレッドブルじゃないのかい?」

「彼(ネリ)が、何で昨日寝て朝起きた時に体重が増えているんだと言ったんです。そのレッドブルじゃないのかい?」とローチ氏。確信犯なのか――。ネリのプロ意識の欠如を表現する、衝撃的なエピソードとなったが、「翼をくれませんでしたね!」とレポーターが冗談めかして言うと、ローチ氏は「NOだ!」と苦笑していた。

「ウェートの部分が少し問題になっている。彼の人生でもう少し規律というものが必要だ。そうすればいいのだが……」とも語っていたローチ氏。ネリはロサンゼルスで同氏の運営するジムで試合前に合宿を行ったが、「彼は最初の3週間で3度もメキシコに帰ったんだ。『なぜメキシコに帰るんだ?』と聞くと、家族がいるから、と。トレーニング合宿なんだから、ここに留まるべきだと伝えた」と語っていたことを明らかにしていた。

 名伯楽の言葉にも耳を貸さなかったネリ。結局今年に入ってローチ氏を離れ、4階級制覇王者カネロこと、サウル・アルバレス(メキシコ)を指導するトレーナー、エディ・レイノソ氏に師事することとなった。(THE ANSWER編集部)