中国・上海で開催されている「上海ロレックス・マスターズ」(ATP1000/10月9~16日/賞金総額545万2985ドル/ハードコート)のシングルス2回戦で、気だるい態度でプレーしたことを非難されていたニック・キリオス(オーストラリア)…

 中国・上海で開催されている「上海ロレックス・マスターズ」(ATP1000/10月9~16日/賞金総額545万2985ドル/ハードコート)のシングルス2回戦で、気だるい態度でプレーしたことを非難されていたニック・キリオス(オーストラリア)が、その試合中での奇妙な行動を理由に1万6500ドルもの罰金を科せられることになった。  勝つための努力の不足と、試合中の反抗的態度という理由から、キリオスはそのキャリアでもっとも高い類の罰金を科せられることになった。彼は、『ベストを尽くそうという姿勢の欠如』ゆえに最大1万ドル、観客への暴言のために5000ドル、そしてスポーツマンらしからぬ行為ゆえに1500ドルの罰金を言い渡されたのである。  キリオスは、予選を勝ち上がったミーシャ・ズベレフ(ドイツ)に対して、ほとんど負け急ぐ形で3-6 1-6の敗戦を喫したが、その過程でサービスにスピードを与えることができず、グラウンドストロークでも多くのアンフォーストエラーをおかした。ある時点での彼は、緩いサービスをネットの向こう側に入れたあと、ズベレフのリターンを待ちもせずに、コートサイドの椅子のほうに向かって歩き始めていた。  試合の終盤でキリオスは、自分を批判する声を上げた観客に向かって、「あなたはここに来てプレーしたいのか?」と叫び返していた。彼はこの試合の過程で、数回にわたりブーイングや野次を受けていた。  この激しやすいオーストラリアの21歳は、コート上での熱弁、審判や観客との口論で知られている。昨年の彼はモントリオールの試合の最中に、スタン・ワウリンカ(スイス)という選手をも侮辱していた。  キリオスはその試合中での振る舞いで1万2500ドルの罰金と、執行猶予付きの28日の活動停止処分、そして続く6ヵ月に同様の重大な無礼を働いた場合には、さらに2万5000ドルの罰金を科せられることになっていた。彼の保護観察期間は2月に終了している。  世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、キリオスは人生のレッスンを学ぶべきだと思うと言った。 「ここ最近、彼についてはあまりいいことが言われていない」とジョコビッチ。「そういう話を聞くのは残念なことだよ。なぜなら僕は、キリオスは近年のテニス界でもっとも素晴らしい才能を持った選手のひとりである、という多くの選手やテニス関係者の意見に同意しているからだ」。(C)AP