実力伯仲の白熱した戦いが繰り広げられているXリーグSuper9は、10月10日までに第4節を終了。富士通フロンティアーズとオービックシーガルズが4戦全勝で並んでいるが、残り2戦も含めた対戦相手の勝ち星の差で富士通が1位となっている。JXBトーナメントに無条件で進出が決定する6チーム、ワイルドカード(WC)プレーオフに進出する7、8位は現時点では決まっていない。

 

 4節終了時点で6位以上を確定する勝ち星数は5勝。富士通とオービックはあと1勝、パナソニックインパルスとLIXILディアーズにも可能性がある。

 

 見方を変えるとSuper9リーグ戦はトーナメント進出権を自動的に失う最下位(=9位)を決める『サバイバル戦』という捉え方もできる。現時点ではノジマ相模原ライズ、アサヒ飲料クラブチャレンジャーズが1勝3敗で同率だが、現時点のスケジュールストレングス(対戦相手の勝ち星数の差)で、ノジマ相模原が8位、アサヒ飲料が9位となっている。

ラッシング全体3位の東京ガスQB8徳島秀一(慶應大)

『アサヒ対決』の切り札になれるか?

アサヒ飲料レシーバー陣

 

 アサヒ飲料が自力で最下位を免れるためには、最低条件としてあと1勝以上挙げる必要がある。10月23日に本拠・兵庫県尼崎市のベイコム陸上競技場にアサヒビールシルバースターを迎えて行われる『アサヒ対決』は今季最大の正念場と言っても過言ではない。

 

 アサヒ飲料のここまでの戦いを振り返ると、9チーム中最下位の得点力(試合平均13.0点)が課題であることは明白だ。『アサヒ対決』を制するためには、守備、キッキングでチャンスを作り、効率よく得点できる状況を作る方策が必要になるだろう。主将WR森悟(近畿大)を筆頭に、エース格の横山公則(関学)、QB加納友輔(関学大)と通算13年目のホットラインを組む太田薫(関学大)、フィジカルに強い新人・中川洪吉(日本大)、ビッグプレーメーカーの河田一樹(立命館大)、ハワイ大出身で2年目のドニー・キングら、「強豪にも対抗できる潜在能力を持つユニット」と、松本直人ヘッドコーチが評するレシーバー陣の実力発揮に期待したいところだ。

 

 対するアサヒビールは上昇ムード。昨秋のセカンドステージ、今春のパールボウルトーナメントと2季連続で延長タイブレーク戦の末に敗戦を喫したノジマ相模原に、第4節で29対26と競り勝った。アサヒ飲料に勝利して上位6チーム入り争いを一歩進めたい。

レシーバー陣を生かすパス力発揮が期待されるアサヒ飲料QB2加納友輔(関学大)

ボールを守り、奪え!

『三度目の正直』を狙うノジマ相模原

 

 ノジマ相模原は残る2戦がいずれも昨ディビジョン1位ランクのチームと、スケジュールが厳しい。しかし、これまで喫した3敗すべてが3点差以内と、紙一重の戦いだっただけに、残り2戦に勝利する可能性も十分にある。10月16日、キンチョウスタジアムで行われるパナソニックインパルスとの一戦は、昨年からの進化が問われる戦いになる。

 昨年はセカンドステージ最終節とファイナルステージ(=準決勝)で対戦し、いずれも大敗を喫した(※)。パス125投76回成功1111ヤード6TD6被INTのデビン・ガードナー、31捕球431ヤード5TDのWRジェレミー・ギャロンのミシガン大ホットラインが、リーグ最少失点(試合平均6.75点)のパナソニック守備をいかに切り崩すか。4試合で9ターンオーバー(7インターセプト/2ファンブル)を奪っているパナソニック守備からボールを守りきることも、勝利の必須条件になるだろう。

 

 対するパナソニックは、第4節の富士通戦で昨リーグMVPのQB高田鉄男(立命館大)を今季初めて先発起用。16投11回成功124ヤードと、パスによるTDはなかったもののインターセプトゼロの正確なパッシングを披露した。一方で、13対13の同点で迎えた第4Qに高田が富士通LBニクソン・トラショーン(ニューメキシコ大)にプレッシャーを浴びてファンブルし、これをリターンTDに繋げられて13対20の敗戦を喫した。ここまで2インターセプト奪取にとどまっているノジマ相模原守備が、パナソニック攻撃からボールを奪うことができるかも勝敗の分岐点となりそうだ。

 

(※)セカンドステージ0対36、ファイナルステージ17対45

ノジマ相模原のメインターゲットWR13ジェレミー・ギャロン(ミシガン大)

打倒オール三菱を目指す

東京ガスQB徳島のラン

 

 WC進出2枠を争うBattle9のトップ争いもいよいよ佳境を迎えている。第4節終了時点でオール三菱ライオンズ、東京ガスクリエイターズ、アズワンブラックイーグルスの3チームが、3勝1敗で並んでいるが、スケジュールストレングスにより、オール三菱、東京ガス、アズワンの順列になっている。

 WC進出争いを左右する大一番となるのが、10月15日、富士通スタジアム川崎で行われるオール三菱と東京ガスの一戦だ。

 

 オール三菱は第4節でSuper9のエレコム神戸ファイニーズを17対14で下し、WC争いを一歩リードしている。一方、東京ガスは第4節でBULLSフットボールクラブと対戦。昨年の対戦では17対27の敗戦を喫した相手だったが、28対0と雪辱した。

 

「オール三菱戦が重要な一戦であることは間違いないが、昨年、敗戦を喫したBULLSに勝つことに100パーセント集中して準備した」と、東京ガス副将QB徳島秀一(慶應)は言う。

 東京ガスにとってオール三菱は、越えられそうで越えられない壁になっている存在だ。2014年の秋季リーグ戦では17対42の大敗。昨年春の交流戦は24対24の引き分けに持ち込んだが、今春のパールボウルトーナメントでは13対31と敗戦を喫している。

 しかも、週末練習が基本になるためBULLS戦から一週間後の土曜日に組まれたオール三菱戦に、特別な準備はしにくい状況だ。

 

 しかし、今季の東京ガスはコツコツと積み上げて作ってきたチームだ。例年オフとしている1月から、トレーニング合宿を行うなど、例年にない練習量を積んできた。

 東京ガスにとってオール三菱戦は、年間を通じた積み重ねの成果が問われる戦いになる。

 

 挑戦の切り札となるのはリーグ全体3位となる23回走304ヤード5TDを挙げているQB徳島のランだ。学生時代からビッグプレーを連発してきた徳島のランは、プレーが始まってからRBに渡すか自分が持つかを守備の動きで判断する選択型のプレーが主。攻撃コーディネーターを兼任するカート・ローズ・ヘッドコーチとは、慶應大時代も含めて8年目のコンビで絶対的な信頼関係を築いている。

 

 昨年までの大きな課題としてRBのタレント不足が挙げられていたが、昨年WRから転向した8年目のベテラン尾花史高(日体大)が48回288ヤード2TDと活躍。守備が徳島をマークすれば尾花が走り、尾花をマークすれば徳島が走るという理想的な形ができてきた。

 

「オール三菱の守備はタレント揃いですが、スピードで勝負を挑みたい」と、徳島は2012年以来のオール三菱戦勝利(10対7)に向けて、全力で挑む構えだ。

 

Xリーグ第5節の注目カード

10月15日(土)                オール三菱ライオンズ×東京ガスクリエイターズ        富士通スタジアム川崎

10月16日(日)                パナソニックインパルス×ノジマ相模原ライズ            キンチョウスタジアム

10月23日(日)                アサヒ飲料クラブチャレンジャーズ×アサヒビールシルバースター        ベイコム陸上競技場

WRから転向2年目の東京ガスRB22尾花史高(日体大)