中国・上海で開催されている「上海ロレックス・マスターズ」(ATP1000/10月9~16日/賞金総額545万2985ドル/ハードコート)のシングルス2回戦で、ニック・キリオス(オーストラリア)が活力のないプレーによりミーシャ・ズベレフ(…

 中国・上海で開催されている「上海ロレックス・マスターズ」(ATP1000/10月9~16日/賞金総額545万2985ドル/ハードコート)のシングルス2回戦で、ニック・キリオス(オーストラリア)が活力のないプレーによりミーシャ・ズベレフ(ドイツ)に3-6 1-6で敗れた。キリオスはこの試合の最中に観客からブーイングを浴びている。彼は試合後、観客への恩義は何もなく、もしも観客が自分の態度が気に入らないというなら立ち去ればいい、と言って怒りを露わにしながら自らの振る舞いを弁護した。  ときおり起こる激しい感情の爆発と、コート上での“議論”好きな態度で知られるキリオスは、東京・楽天ジャパンオープンでの優勝から、わずか3日後となったこの2回戦で、頑張ろうという様子をあまり見せなかった。

 キリオスは緩いサービスを打ち、ズベレフがリターンさえしていないうちに、コートサイドの自分の椅子のほうに向かって歩き始めていた。別の機会では、時速108kmほどの緩いファーストサービスを打ったかと思いきや、時速210kmのセカンドサービスを叩き込んでダブルフォールトをおかしたりもした。  キリオスはまた、脚の間からリスクの高い股抜きボレーを打ち、それでもポイントを取ることに成功した。エンドチェンジのときには椅子に座らず、あるいは、サービスを待っているときに、指を軸にラケットをくるくる回しながら、待ちきれないといった態度を見せることもあった。  主審のアリ・ニリ氏は、第1セットでその態度を見かね、「これはプロの大会なのだから、君はプロらしく振舞わなければいけない」とキリオスに忠告していた。  わずか48分で終わったこの試合の終盤に、観客たちはブーイングしたり、野次を飛ばしたりし始めた。ある観客は、「試合に敬意を払え」と叫んだが、これがキリオスの怒りに満ちた反応を引き出すことになってしまった。彼は客席に向かって「あなたがここに来てプレーしたいのか?」と叫び返した。  試合後、テニス界のスターのひとりとして、よりよい頑張りを見せる義務があるのでは、と聞かれると、彼はふたたび反抗的にこう返している。 「いったいどういう意味なんだ? 僕は彼らにどんな義務もない」 「もし気に入らないなら、僕は見にきてくれとは頼まないよ。ただ去ればいい」  緩いサービスについては、「腕が少し痛かったんだ」とぶっきらぼうに返した。キリオスは全力を注ぎ込んでいなかったこと、東京で今季3つ目のタイトルを獲ったあと、精神的に空になっていたことを認めはした。

 「だからこそ、僕は今、毎週安定した成績が出せるようになるための努力を積んでいるところなんだよ」とキリオス。  ズベレフは試合後、キリオスのサービスのいくつかについて、自分のガールフレンドとプレーしたときのような感じだった、とジョークを言ったが、同時にキリオスの弁護もし、プロ精神についてキリオスを非難すべきではない、とも言った。  「フェデラーがあんなふうに振る舞うか? たぶんそれはないだろう」とズベレフは言った。「でもキリオスはクリエイティブな精神を持った選手だ。彼は世界トップ15、16なわけだから、何か正しいことをやっているのだろう」。  ズベレフはまた、長く厳しいシーズンの終わりに疲れを感じるのは当然だと言った。 「精神的にひどく疲労した状態に陥ると、ある選手はある形でそれに反応し、別のある選手はまた違った反応をするものだ」ズベレフ。「それは、彼がプロフェッショナルナルか否かを測る物差しにはならないよ」。(C)AP(テニスマガジン)

【12日の男子シングルス2回戦|結果】※[ ] 数字はシード順位、[Q]は予選勝者、[WC]はワイルドカード(主催者推薦)

アンディ・マレー(イギリス)[2] 6-3 6-2 スティーブ・ジョンソン(アメリカ)

スタン・ワウリンカ(スイス)[3] 6-3 6-4 カイル・エドマンド(イギリス)[Q]

ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)[5] 6-2 6-4 パオロ・ロレンツィ(イタリア)

ビクトル・トロイツキ(セルビア)6-3 7-6(3) ラファエル・ナダル(スペイン)[4]

マルセル・グラノイェルス(スペイン)7-6(4) 7-6(1) トマーシュ・ベルディヒ(チェコ)[7]

ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)[Q] 6-3 6-1 ニック・キリオス(オーストラリア)[12]

バセック・ポスピショル(カナダ)[Q] 7-5 7-6(2) グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)

ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)[15] 6-4 6-4 テイラー・フリッツ(アメリカ)[Q]

ジャック・ソック(アメリカ)6-3 4-6 6-4 フェリシアーノ・ロペス(スペイン)

ジル・シモン(フランス)6-2 6-2 ウー・ディ(中国)[WC]

ダビド・ゴファン(ベルギー)[11] 6-1 7-6(0) ブノワ・ペール(フランス)

ルカ・プイユ(フランス)[13] 6-4 7-6(10) ニコラス・アルマグロ(スペイン)