ヤンキースの田中将大投手は今季、メジャー3年目で自己最高のシーズンを送った。1年を通して先発ローテーションを守り抜き、14勝4敗、防御率3.07の好成績をマーク。大台のシーズン200イニングには1/3イニング届かなかったものの、199回2/…

ヤンキースの田中将大投手は今季、メジャー3年目で自己最高のシーズンを送った。1年を通して先発ローテーションを守り抜き、14勝4敗、防御率3.07の好成績をマーク。大台のシーズン200イニングには1/3イニング届かなかったものの、199回2/3と初めて規定投球回(162回)にも到達した。

■最優秀防御率はならずも…守備防御点はリーグトップを記録

 ヤンキースの田中将大投手は今季、メジャー3年目で自己最高のシーズンを送った。1年を通して先発ローテーションを守り抜き、14勝4敗、防御率3.07の好成績をマーク。大台のシーズン200イニングには1/3イニング届かなかったものの、199回2/3と初めて規定投球回(162回)にも到達した。

 最後まで争った最優秀防御率のタイトルには、わずかに届かず。ブルージェイズのサンチェス(3.00)、タイガースのバーランダー(3.04)に次ぐ3位に終わった。また、シーズン後半までサイ・ヤング賞候補としても名前が挙がったが、右前腕の張りで最後の2登板を回避したこともあり、投手最高の栄誉は来季以降に期待がかかる。一方で、田中は今季、ゴールドグラブ賞の最有力候補になると地元紙「ジャーナルニュース」が報じている。

 記事では、米野球データサイト「ファングラフス」の分析原稿を参考に、田中の守備がいかに優れているかを伝えている。同紙は「ファングラフスのオーガスト・ファーゲルストロム記者によれば、マサヒロ・タナカが最も守備の優れた投手に相応しいとしている」と言及。そして、以下のように記している。

「ファーゲルストロム記者はアメリカン・リーグ在籍選手の守備を先進的な指標に基いて分析している。守備に関しては絶対視される指標が無いため、ファーゲルストロム氏は様々な指標を組み合わせ、守備防御点を算出している。彼の統計によれば、田中は今季ア・リーグで最も守備の優れた投手となっている」

■過去3年間のトータルでも守備防御点はメジャー3位

 ファングラフスによると、田中の今季の守備防御点(DRS=Defensive Runs Saved)は、ダラス・カイケル(アストロズ)と並んでリーグトップの「7」だった。3位はR・A・ディッキー(ブルージェイズ)の「6」、4位はJ・A・ハップ(ブルージェイズ)の「5」となっている。DRSとは、平均的な選手に比べて、シーズンでどれだけ失点を防いだかを表す数字で、多いほど優秀ということになる。「昨季の同様の統計では3位となっていた田中だが、今季はJ・A・ハップとR・A・ディッキーを抑えて首位となっている」。DRSは各ポジションで算出されており、田中は投手部門でトップだった。

 また、ファングラフスによると、過去3年間の合計の数値でも田中はカイケル、ザック・グリンキー(ダイヤモンドバックス)に次ぐメジャー3位と優秀な成績を残している。カイケルは計600回で「30」、グリンキーは計583回2/3で「21」、田中は490回で「16」。いずれの投手もゲームをコントロールでき、守備範囲や送球、運動神経に優れた選手であると位置づけている。

 日本時代には、2011年から3年連続でゴールデングラブ賞に輝いた田中。渡米1年目のキャンプから守備力は高く評価されており、シーズンでは好フィールディングでピンチを切り抜ける場面も何度もあった。メジャー自身初タイトルとなるか、注目が集まる。