本来なら今週行われている予定だった「全仏オープン」。今年は新型コロナウイルスの影響のため9月へ延期となったが、ATP(男子プロテニス協会)が過去の同大会での出来事について振り返っている。今回振…

本来なら今週行われている予定だった「全仏オープン」。今年は新型コロナウイルスの影響のため9月へ延期となったが、ATP(男子プロテニス協会)が過去の同大会での出来事について振り返っている。今回振り返っているのは、ほぼ暗闇の中で行われた試合についてだ。【実際の写真】ボール見えるの!?ほとんど暗闇の中で行われたテニスの試合

それは2010年の男子シングルス2回戦、ファビオ・フォニーニ(イタリア)対ガエル・モンフィス(フランス)でのこと。

「全仏オープン」のコート フィリップ・シャトリエには照明がなく、度々日没によってサスペンデッドになることがある(2020年大会では、全コートに照明設置予定)。

この試合では、地元フランス勢であるモンフィスがフォニーニから最初の2セットを奪う。しかしモンフィスのコンディションは万全ではなく、徐々にフォニーニに試合が傾き始め、第5セットにまでもつれ込んだ。

そして第5セットのゲームカウント4-4となった頃には、あたりはすっかり暗くなり、会場内のスクリーンとスコアボードの光しかない状態に。サスペンデッドになるかと思われたが、2人は後2ゲーム続けることで合意。

ボールがほとんど見えないと思われる中、フォニーニはサービスゲームをキープ。そして15-40とマッチポイントを握る。しかし地元勢期待の星であるモンフィスはこれで終わらせまいと粘り、合計3本のマッチポイントをしのいでキープ。この日を乗り切った。2人がこの日コートを後にしたのは、午後10時前だったという。

しかし翌日再開された試合でモンフィスは力尽き、最終的にフォニーニが2-6、4-6、7-5、6-4、9-7と2セットダウンからの大逆転勝利を掴んだ。試合時間は4時間16分だった。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2010年「全仏オープン」でのフォニーニ(左)とモンフィス(右)

(Photo by Julian Finney/Getty Images)