12日からセ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが始まる。12日からセ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが始まる。ファイナルで待ち受けるのは、25年ぶりにリーグ優勝を果たした広島。両チー…

12日からセ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが始まる。12日からセ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが始まる。ファイナルで待ち受けるのは、25年ぶりにリーグ優勝を果たした広島。両チームの直接対決の結果を見てみると、広島の13勝12敗と勝ち越しはわずかに「1」。果たして、DeNAが勝つ可能性はあるのだろうか。

■シーズンでのゲーム差は「19.5」、「CSはどうしても1位チームが有利」

 12日からセ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが始まる。12日からセ・パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが始まる。第3戦は延長11回の熱戦を制した。球団史上初のCS進出ながら、台風の目となりそうな気配だ。

 ファイナルで待ち受けるのは、25年ぶりにリーグ優勝を果たした広島。ペナントレースでは2位巨人に17.5ゲーム差をつける独走を見せ、DeNAとは最終的に19.5ゲーム差が開いた。ただ、両チームの直接対決の結果を見てみると、広島の13勝12敗と勝ち越しはわずかに「1」。果たして、DeNAが勝つ可能性はあるのだろうか。

 ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーした野球解説者の野口寿浩氏は「CSはどうしても1位のチームが有利」とした上で、「巨人と身を削るような3試合をやってきたDeNAと、どっしりと待ち受ける広島のどちらがいいのか。勢いは間違いなく横浜についていますけど、カープにも勢いがないとは言えない。初戦次第で、また広島がシーズン中のように乗っていく可能性もあります」と、あくまで広島に分があると分析。その上で、DeNAが勝ち上がるためのポイントを挙げた。

「打線で好材料といえるのは、ロペスの調子がいいことでしょうね。だから、カギはロペスを孤立させないこと。例えば、初戦で桑原が打てば勢いづくでしょう。ロペスとも打順が近い。そういう意味で、カギを握るのは1番、3番ではないでしょうか」

■DeNAの不安材料は筒香の状態?

 一方で、2番・梶谷はCS第3戦で左手薬指に死球を受けて途中交代。また、4番・筒香は初戦で決勝2ランを放ったものの、3試合で5三振とレギュラーシーズン中のような状態ではなく、こちらは不安要素となる。野口氏は梶谷については「左手の薬指ならば強行してくる感じがします」としたが、筒香は決して本調子ではないと見ている。

「ファーストステージの第2戦で、筒香は巨人・田口の外角にボールになっていくスライダーを『打ちたい。打ちたい』で全部振ってしまっていた。それがすごく気になりました。巨人とのシリーズを通して、スライダーでも真っ直ぐでも内角をバンバン攻められた。あれで少し調子が狂ってしまったかなという感じがするんです。初戦の1打席目には、巨人のマイコラスにインコースに集められて、最後は見逃し三振に終わりました。あの日は最後にホームランを打ったからよかったですが、1打席目で狂ってしまっていた感じがするんです。そのせいで、まだ来てもいないインコースを過剰に意識し始めたのが2戦目だった。

 今はちょっとボール球を我慢しきれていない。あれを見れば、広島の(初戦先発が予想される)ジョンソンは外角へのスライダーしか投げてこないでしょうね。しかも、そこにきっちりと投げられるピッチャーですから。ただ、筒香のことだから戻してくる可能性もある。対戦相手が変わるということで、どれだけ開き直れるかでしょう。あとは、DeNAが1人でも多くの走者を置いて好調のロペスに回せるかどうか。そこでロペスが打つことで、筒香も楽になる。そうすれば、蘇ってくる可能性もあります」

■「どれだけファーストステージの勢いをつなげられるか」

 投手陣については、すでに1位広島が大きなアドバンテージを手にしている。DeNAは巨人との3連戦で井納、今永、石田の3人を起用。広島との第1戦では、三嶋かモスコーソの先発が予想される。一方、これが今季のCS初戦となる広島はエースのジョンソンが濃厚。今季最多勝の野村、そして安定感抜群の黒田が、2戦目以降に控えている。

「DeNAは(右肩違和感の)山口が投げられないのは痛い。ファーストステージでは、勝ち抜けないと次がないということで、広島に強い今永(今季5試合登板で3勝1敗、防御率1.65)を使ってしまった。山口がいれば今永をファイナルステージに温存することもできたでしょうけど、それができなかった。三嶋は今季、広島相手に2試合で防御率1.38なので、初戦の先発で行きそうな気がします。ただ、万が一、三嶋で初戦を落としてしまうと、井納、今永、石田の3人が中4日で行くしかない、ということになりそうですよね。

 広島に1勝のアドバンテージがありますし、DeNAは初戦に勝たなければいけない。ただ、ファイナルステージでは2・3位のチームには初戦にエースを使えない苦しさがあります。巨人に勝って勢いをつけているでしょうけど、身を削る戦いをしてきたから、野手には痛んでいる選手もいますし、先発ピッチャーも使ってしまっている。やはり、DeNAはどれだけファーストステージの勢いをつなげられるかでしょう。2・3位チームが勝ち抜くためには、4連勝がベスト。もし負けられるとしたら、3連勝の後の1日だけ。そのくらいを目指していかないと、厳しい戦いになると思います」

 ペナントレースで圧倒的な強さを見せた広島にDeNAがどこまで食らいつけるか。まずは初戦が大きなポイントとなることは間違いない。