サッカーIQラボ〜勝負を決めるワンプレー~Question次のシーンで、久保はどんなプレーをしたか? 2019年、FC東京からあのレアル・マドリードへ、日本人初の移籍を実現させた久保建英。レンタル先のマジョルカでラ・リーガデビューを果た…
サッカーIQラボ
〜勝負を決めるワンプレー~
Question
次のシーンで、久保はどんなプレーをしたか?
2019年、FC東京からあのレアル・マドリードへ、日本人初の移籍を実現させた久保建英。レンタル先のマジョルカでラ・リーガデビューを果たすと、公式戦24試合に出場。そのうち13試合で先発するなど、ルーキーにして主力の一人として活躍している。
観る者へとくにインパクトを与えたのは、ドリブル突破だ。ホームデビューとなった第4節のビルバオ戦では、途中出場からいきなり果敢なドリブルでPKを獲得。サポーターの心を一気に鷲掴みにした。久保はその後の試合でも、キレのあるドリブル突破や精度の高い左足のキックで相手DFを翻弄し、違いを生み出せるクオリティを示した。
そして、中断前最後の試合となった第27節エイバル戦でも、久保はオン・ザ・ボールでの駆け引きで魅せた。
相手DFを前にしてボールを受けた久保。このあと、どんなプレーをしたか
後半33分、バイタルエリアで前を向いてパスを受けた久保。この時、パスを出したアレハンドロ・ポゾが、右サイドから久保の背後を回って左へ抜けようとした。さて、久保は次のプレーでどうしただろうか?
Answer
右へ切り返して、股抜きシュート
久保はすでに、ラ・リーガのDFたちから警戒される選手となっている。それはこのシーンでの相手DFパウロ・オリベイラの対応からも顕著だった。久保がゴール正面を向いてボールをコントロールすると、パウロ・オリベイラは深く腰を落として明確に左足の前に立った。明らかに久保の左足を警戒していた。
自分の左足を警戒する相手を逆手に取り、久保はボールを右に持ち出して右足シュートを決めた
もうひとりのDFペドロ・ビガスは中に絞りながら、ポゾの動きを見ていたはずである。回り込むポゾへ久保からパスが出た場合、パウロ・オリベイラがスライドしてそのカバーに入るか。あるいは、ビガスがそのままポゾに対応するか。久保の左足のシュートコースを消しながら、ふたりは次のアクションを待っていた。
そんな対応にも動じない久保は、ポゾが背後を回ろうという瞬間、コンパクトに右へ切り返した。その切り返しにパウロ・オリベイラは立ち尽くし、ビガスは逆を取られた。ふたりは久保の右足は捨てていたのだろう。
素早くシュートモーションに入る久保に対し、ビガスはなんとかブロックの足を伸ばした。しかしそれも想定済みの久保は、開いた股下を抜いてゴール左ポストの内側を叩くシュートを放った。
警戒した相手の対応を逆手にとった巧みな駆け引きで、18歳とは思えぬクオリティを見せつけた久保のゴラッソだった。