プロ野球は今月7日に2016年の第1次戦力外通告期間が終了し、12球団で合計85選手(巨人の自由契約6選手を含む)が戦力外となった。第2次通告期間はクライマックスシリーズ全日程終了の翌日から日本シリーズ終了の翌日までとなり、今年の12球団合…

プロ野球は今月7日に2016年の第1次戦力外通告期間が終了し、12球団で合計85選手(巨人の自由契約6選手を含む)が戦力外となった。第2次通告期間はクライマックスシリーズ全日程終了の翌日から日本シリーズ終了の翌日までとなり、今年の12球団合同トライアウトは11月12日に甲子園球場で行われる。

■第1次戦力外では総勢85選手に通告、元ドラ1選手たちの成績を振り返る

 プロ野球は今月7日に2016年の第1次戦力外通告期間が終了し、12球団で合計85選手(巨人の自由契約6選手を含む)が戦力外となった。第2次通告期間はクライマックスシリーズ全日程終了の翌日から日本シリーズ終了の翌日までとなり、今年の12球団合同トライアウトは11月12日に甲子園球場で行われる。

 いずれも将来を嘱望されてプロ入りした選手たちだが、中でもドラフト1位指名でプロの門を叩いた選手は周囲やファンからの期待も大きく、各球団を背負って立つ存在として入団当初から注目を浴びてきた。

 今年、第1次期間で戦力外を通告された元ドラ1選手とそのプロ通算成績を見てみたい。

 総勢85選手のうち、元ドラ1選手(自由獲得と希望入団を含む)は計16選手。そのうち、プロ球団在籍年数が最も長いのが久保裕也投手、長田秀一郎投手、新垣渚投手で14年だ。

 いずれも“松坂世代”の36歳。久保は巨人と契約した年に同じく木佐貫洋も自由獲得枠で入団しており、“ドラ1扱い”が実質2人いたシーズンだった。1年目から38試合に登板し、6勝をマーク。05年からはリリーフに転向。10年にはキャリア最多79試合に登板し、8勝1敗、32ホールド、1セーブ、防御率2.77。翌11年も67登板で4勝2敗、21ホールド、20セーブ、防御率1.17と活躍し、2年連続でオールスターゲームにも選ばれた。しかし昨季、巨人を戦力外となり、今年はDeNAで2年連続の戦力外となった。

 同じく今年DeNAを戦力外となった長田は02年のドラフト会議で自由獲得枠で西武に入団。1年目から46試合に登板し、10年にはキャリア最多56試合に登板、5勝3敗、17ホールド、防御率3.31をマークした。13年のシーズン途中に渡辺直人との交換トレードでDeNAへ。昨季は45登板で4勝1敗、10ホールド、防御率2.06の成績を収めたが、今季は6試合の登板にとどまっていた。

■6球団競合で入団した大場、長谷部は5球団競合で楽天へ

 同じくプロ14年目の新垣はホークスに自由獲得枠で入団すると1年目に8勝をマーク。2年目から3年連続で2桁勝利を挙げた。しかしその後は成績を落とし、14年途中に交換トレードでヤクルトへ移籍。新天地では通算4勝にとどまり、今オフ戦力外となった。

 また今回の元ドラ1・16選手の中で入団当初、最も話題を呼んだ一人は大場翔太投手だろう。07年大学・社会人ドラフトで6球団競合の末にホークスに入団。しかし、プロ入り後は思うような成績を残せずに昨オフに金銭トレードで中日に移籍し、1年で戦力外となった。通算9年で85登板にとどまり、15勝のみ。大学時代、大場とともに“ビッグ3”と言われた長谷部康平投手も注目を浴びた一人でドラフトでは5球団が競合したが、楽天入り後は度重なる手術にも苦しみ、通算11勝と期待に応えられなかった。

 一方、球団別にみると、今回の16選手の中では阪神の元ドラ1が最多で5選手。次いでヤクルト、西武、ホークス(ダイエーとソフトバンク)の2選手となっている。

 今後、現役続行を見据えて新天地を模索する選手、ユニフォームを脱ぐ選手と、決断は人それぞれだろう。元ドラ1選手たちがどのような道に進むのか、新たな一歩に注目したい。

 第1次で戦力外となった元ドラフト1位選手(※自由獲得枠、希望入団枠を含む)は以下の通り。

■第1次で戦力外となった元ドラ選手と成績は…

久保裕也投手(2002年、巨人自由獲得枠)巨人-DeNA、通算14年
427登板、47勝35敗、101ホールド、36セーブ、防御率3.50

長田秀一郎投手(2002年、西武自由獲得枠)西武-DeNA、通算14年
389登板、25勝25敗、85ホールド、2セーブ、防御率4.14

新垣渚投手(2002年、ダイエー自由獲得枠)ダイエー-ヤクルト、通算14年
172登板、64勝64敗、0ホールド、0セーブ、防御率3.99

香月良太投手(2003年、近鉄自由獲得枠)近鉄-巨人、通算13年
371登板、18勝10敗、77ホールド、3セーブ、防御率3.88

筒井和也投手(2003年、阪神自由獲得枠)阪神、通算13年
221登板、8勝6敗、29ホールド、3セーブ、防御率3.87

田中浩康内野手(2004年、ヤクルト自由獲得枠)ヤクルト、通算12年
1195試合、978安打、打率.270、30本塁打、328打点、31盗塁

鶴直人投手(2005年、阪神高校生1位)阪神、通算11年
117登板、9勝8敗、6ホールド、0セーブ、防御率3.80

小嶋達也投手(2006年、阪神希望入団枠)阪神、通算10年
64登板、4勝9敗、5ホールド、0セーブ、防御率5.33

山内壮馬投手(2007年、中日大学生・社会人1位)中日-楽天、通算9年
57登板、17勝15敗、1ホールド、0セーブ、防御率3.01

長谷部康平投手(2007年、楽天大学生・社会人1位)楽天、通算9年
110登板、11勝19敗、11ホールド、3セーブ、防御率5.37

大場翔太投手(2007年、ソフトバンク大学生・社会人1位)ソフトバンク-中日、通算9年
85登板、15勝21敗、0ホールド、0セーブ、防御率4.39

白仁田寛和投手(2007年、阪神大学生・社会人1位)阪神-オリックス、通算9年
56登板、3勝2敗、3ホールド、0セーブ、防御率3.86

中崎雄太投手(2008年、西武1位)西武、通算8年
15登板、0勝0敗、0ホールド、0セーブ、防御率8.04

木村優太投手(2008年、ロッテ1位)ロッテ、通算8年
47登板、1勝6敗、1ホールド0、0セーブ、防御率5.24

二神一人投手(2009年、阪神1位)阪神、通算7年
27登板、0勝3敗、1ホールド、0セーブ、防御率5.31

川上竜平外野手(2011年、ヤクルト1位)ヤクルト、通算5年
1軍出場なし