ラグビー日本代表は10月10日、東京・辰巳の森ラグビー練習場でジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ(HC)就任後初のトレーニングをおこなった。「アルゼンチン代表戦前の準備日数は限られていて、(ワールドカップ イングランド大会のあった昨秋と比…

 ラグビー日本代表は10月10日、東京・辰巳の森ラグビー練習場でジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ(HC)就任後初のトレーニングをおこなった。

「アルゼンチン代表戦前の準備日数は限られていて、(ワールドカップ イングランド大会のあった昨秋と比べれば)コーチ陣が入れ替わっている。今回のキャンプは、個々のメディカル面の確認、コーチ陣と選手との関係性を作るのが目的です」

 11月は、5日に昨秋のワールドカップで4強だったアルゼンチン代表と激突(東京・秩父宮ラグビー場)。以後は欧州でジョージア代表、ウェールズ代表、フィジー代表とぶつかる。

 今回選出された37人の候補メンバーは、短期間の準備で強豪との大勝負に挑むこととなる。そんななかジョセフHCは、対話路線を強調。6月のテストシリーズ時に主将だった堀江翔太ら、主要メンバーからの提案も力に変えるつもりか。

 国際リーグであるスーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズでも主将を務めた堀江は「きょうのミーティングでは、『選手から話してくれ』という要望がありました」と発言。同じくサンウルブズで一時ゲーム主将を務めた立川理道も、こう言葉を足す。

「今回のサンウルブズ、6月のテストマッチを経験している選手が全体の半分くらいいる。そうした選手をリードしながら、チームとして動いていけたらと思います。(戦術的には)複雑なことをせず、チーム全体がわかりやすくできるラグビー。1人ひとりの役割が分けられている」

 選手によっては前日に日本最高峰トップリーグの試合をおこなっていただけに、練習の強度は控えめだった。

「きょうは50パーセントくらいの強度でやるつもりでしたが、80パーセントくらいになってしまった。(以下、日本語で)それは僕のせいです!」と笑うジョセフHCは、おもに攻防線間際でのFWのパス交換、ラインアウトなどを指導。選手がグラウンドいっぱいに広がってボールをつなぐ実戦練習には、ゲームプランを構築するトニー・ブラウン アタックコーチ、サンウルブズを指導する田邉淳氏も目を光らせていた。

 ジョセフHCはこうも言う。

「強豪国相手に、ポジティブにぶつかっていきたい。コーチ陣としては、アタックをしていこうと心掛けています。試合の50パーセントはディフェンスをしなければなりませんが、全てを5日間でカバーすることはできない。まずはしっかりと準備すること。選手それぞれが役割を認識すること。きょうは、それぞれのポジションの役割を明確にする練習をしました。これから、スキルももっと高めなければいけませんね」

 9日に開始した今度の第1回合宿は11日までおこない、23日〜25日の第2回合宿に備える。ツアーの主将は未定。(文:向 風見也)