10日(日本時間11日)に行われるナショナルズとの地区シリーズ第3戦に先発するドジャース前田健太投手。チーム最多16勝を挙げた前田の活躍の陰には、個人トレーナーの存在があったことを地元紙「ロサンゼルス・タイムス」電子版が伝えている。■地元紙…

10日(日本時間11日)に行われるナショナルズとの地区シリーズ第3戦に先発するドジャース前田健太投手。チーム最多16勝を挙げた前田の活躍の陰には、個人トレーナーの存在があったことを地元紙「ロサンゼルス・タイムス」電子版が伝えている。

■地元紙が特集記事、開幕前は健康を不安視されながら先発陣で唯一怪我なし

 10日(日本時間11日)に行われるナショナルズとの地区シリーズ第3戦に先発するドジャース前田健太投手。1勝1敗で迎える第3戦は本拠地開催で、地区シリーズ勝ち抜けに王手を掛ける勝利が期待されている。今季ドジャース先発陣では唯一開幕からローテを守り抜いた右腕は、開幕前は健康が不安視されながらもシーズン後半に評価はうなぎ上り。チーム最多16勝を挙げた前田の活躍の陰には、個人トレーナーの存在があったことを地元紙「ロサンゼルス・タイムス」電子版が伝えている。

 昨オフにドジャースと契約する際、フィジカル検査で肩肘の健康が懸念される結果が出た前田は、開幕当初は先発ローテーションを1年守り抜けるか不安視されていた。だが、レギュラーシーズンを終えてみれば、怪我人続出だったドジャース先発ローテの中で、開幕から怪我と無縁だったのは前田だけ。「結果を残さないといけないと思った」と日本語で語ったという前田は、先発ローテを外さなかったばかりか、チーム最多16勝(11敗)、防御率3.69の活躍で、チームが4季連続地区制覇を果たす原動力となった。

 週に1度しか先発機会のないNPBから、5試合に1度はマウンドに上がるメジャーとでは、調整方法が大きく変わってくる。ドジャース首脳陣は、可能な限り前田の登板間隔を空けるように調整。記事によれば、同時に「前田は、日本の時と同じように、回復のためにマッサージを続けるため、個人トレーナーの雇用を強く主張」したそうだ。そこで前田に帯同したのが、渡邉誉トレーナーだったという。

■登板間のトレーニングは「疲れをとることが最優先」「考え方はイチローに近い」?

 記事によれば、渡邉トレーナーは登板間隔の変化は「大きな違い」と指摘。「次の登板まで4日しかない時は、疲れを取ることが最優先されます」と話し、強度の高いトレーニングはほとんど行わなかったと明かしたそうだ。メジャーでは、先発投手もシーズン中にウェイトトレーニングを行うことが一般的。日本では比較新しい考え方だが、レンジャーズのダルビッシュ有投手はウェイトトレーニングの必要性を強く説いている。一方で、現役25シーズン目のマーリンズ、イチロー外野手は逆の立場。記事によれば、「渡邉トレーナーは,前田の考え方はダルビッシュよりもイチローに近いと言っている」そうで、負荷の少ないトレーニングを増やし、疲労回復に主眼を置いたトレーニングメニューで、怪我と無縁のシーズンを送ることに成功したという。

 レギュラーシーズンを終えた時「シーズンを通じてローテを外すことなく、16勝できた事実には満足している」と話したという前田だが、渡邉トレーナーは「彼(前田)が怪我なくシーズンを通じて過ごせたことが、私の誇れる点です」と語ったそうだ。

 地元ロサンゼルスのファンの期待を一心に背負い、本拠地で行われる地区シリーズ第3戦のマウンドに上がる前田。強力なサポートを受け、万全な体勢で勝利を狙う。