プロテニスツアーの中断で、多くの選手たちが収入を得られていない。そんな状況でもATP役員の給与が減額されていないことを、世界ランキング39位のライリー・オペルカ(アメリカ)が批判した。ウェブメ…

プロテニスツアーの中断で、多くの選手たちが収入を得られていない。そんな状況でもATP役員の給与が減額されていないことを、世界ランキング39位のライリー・オペルカ(アメリカ)が批判した。ウェブメディアEssentially Sportsが報じている。テニスツアーは3月初旬、世界的コロナウイルスの流行を理由に突如中断することになった。そのため、テニス選手たちはここ2ヶ月の間、キャリアを生き永らえさせるため苦闘しているが、ATP役員たちはこの期間も満額の給与を受け取っている。

オペルカは、ATPが選手たち、特にランキング下位の選手たちの苦しみをリスペクトせず、放置していると感じ、以下のようにツイートした。「2ヶ月経ったけれど、ATP役員の給与カットの話はない。インディアンウェルズ以来、選手たちは誰一人として賞金を受け取っていないのに」

これまでにNBA(バスケットボール)、 NFL(アメリカンフットボール)、NHL(アイスホッケー)などのプロスポーツリーグが、新型コロナウイルスの影響で競技が中断している間の役員給与を減額すると発表している。

ランキング下位のプロテニス選手の多くは、週毎に得られるトーナメントの賞金が収入のすべてだ。したがって、現在世界的な非常事態の中で生計を立てるのに苦労している状況だ。

少しでもその状況を改善しようと、ATP選手協議会会長を務めるノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、ランキング下位の選手を金銭的に援助する選手救済基金プログラムを計画。

このプログラムで、ATP、WTA、ITF、そして4つのグランドスラム役員会はトップ100の選手と協力して600万ドル(約6億4千万円)の資金を集め、新型コロナウイルス流行により特に影響を受けている選手たちを援助する予定だ。

しかし、その他の選手は収入がないままだ。オペルカは、パンデミックがテニス全体に多大な影響を与えている状況を踏まえて、ATPのトップたちの給与もカットするべきだと進言している。

※為替レートは2020年5月18日時点

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「ATP250デルレイビーチ」で優勝したオペルカ(右)と準優勝した西岡(左)

(Photo by Aaron Gilbert/Icon Sportswire via Getty Images)