NBAは、スポーツ以上の存在である。このリーグが有するエンターテイメント性やヴィジュアルイメージは、ストリートカルチャーを筆…

 NBAは、スポーツ以上の存在である。このリーグが有するエンターテイメント性やヴィジュアルイメージは、ストリートカルチャーを筆頭に様々なシーンに影響を及ぼし、時には社会現象の原因となってきた。とりわけ、70年代後半に隆盛を迎えたスニーカーは、ABA(アメリカン・バスケットボール・アソシエーション)がNBAに事実上吸収された1976年を境に、各メーカーが本格的に開発に注力し、それを機に始まった競争は2020年になった現在でも継続されている。

 米スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、NBAが今年74周年を迎えたことを祝して、歴代スニーカーTOP74を発表。バッシュファン垂涎のリストでは、最近発売されたあのモデルや懐かしのバッシュを代表的な着用プレーヤーおよび発売年とともに紹介している。

 ご想像のとおり、ランキングのブランド占有率は、ナイキが圧勝。実に74足中45足がナイキ傘下(ジョーダン ブランドを含む)のもので、以下にアディダスが8足、リーボックが7足、コンバースが3足で続いた。しかし、前述のブランドのほかにも、ウォルト・フレイジャーのシグネチャーであるプーマ『クライド』や、ラッパーの2Pacも履いたフィラ『グラント ヒル 2』といったお馴染みの名作をはじめ、クリス・ウェバーらが愛用したダダ『シーダブズ』、2000年のダンクコンテストでヴィンス・カーターが着用したアンドワン『タイチ・ミッド』など、00年代に一斉を風靡した伝説のモデルも抜かりなく選出されている。

 

 TOP5は下位から順に、コンバース『チャック テイラー オールスター』、ナイキ『フォームポジット ワン』、『エア フォース 1』、『エア ジョーダン 1』という結果に。そして栄えある第1位には、1995年に発売された『エア ジョーダン 11』が輝いた。

『エア ジョーダン 11』は、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)の「フォーマルなデザイン」というリクエストを汲み取り、エナメルとナイロンを採用した史上初めてのバスケットボールシューズである。しかし、『エア ジョーダン 11』はジョーダンの引退中に設計されたもので、当時は彼が本当にNBAに復帰するか定かでなかったことから、ナイキの一部関係者は同モデルの発売を中止しようとしていた。しかし、ティンカー・ハットフィールドらの意向で、『エア ジョーダン 11』はジョーダンが復帰した1994-95年のプレイオフで突如観衆の前に姿を現す。そして、ブルズが72勝を記録した翌シーズン、ジョーダンに復帰後初優勝とレギュラーシーズン、オールスター、ファイナルのMVP3冠をプレゼントした『エア ジョーダン 11』は、ファンからも爆発的な人気を獲得し、NBAとスニーカーの歴史に最も深く名を刻むこととなった。

 その一方で、『ESPN』は歴代ワーストスニーカーTOP10も発表。ジョン・ウォール(ワシントン・ウィザーズ)がデビューシーズンに着用したリーボックの『ジグ スラッシュ』、単調なデザインで「おもちゃのようだ」と酷評されたアディダスの『コービー 2』、ボクシングシューズとスキーブーツを融合したようなアンダーアーマーの『チャージ BB』など、不名誉にも同ランキングに名を連ねてしまったモデルは、確かにお世辞にもカッコいいとは言い難い……。

 気になるTOP10は、以下のとおり。

☆NBA歴代ベストスニーカー☆

1位:エア ジョーダン 11

2位:エア ジョーダン 1

3位:ナイキ エア フォース 1

4位:ナイキ フォームポジット ワン

5位:コンバース チャック テイラー オールスター

6位:エア ジョーダン 3

7位:ナイキ コービー 4

8位:リーボック クエスチョン

9位:アディダス スーパースター

10位:ナイキ ハイパーダンク