このパンデミック下で、ランキング下位のテニス選手たちの救済を検討している団体は多いが、今回カナダのナショナルバンクはうわべの議論にとどまることなく、現実に救済策を決定。カナダのプロ選手23人全…

このパンデミック下で、ランキング下位のテニス選手たちの救済を検討している団体は多いが、今回カナダのナショナルバンクはうわべの議論にとどまることなく、現実に救済策を決定。カナダのプロ選手23人全員に基本的生活を安定させるための援助を行うと発表した。ウェブメディア Essentially Sportsが伝えている。新型コロナウイルスの感染拡大により、すべてのプロテニスイベントが中断された。裕福なトッププレーヤーたちにとっては、この間の生活を維持することは難しくないだろうが、下位の選手たちは日々の食費にも不安を抱えている。そのため、選手救済基金を作ろうとの声も上がっており、多くの選手たちに好意的に受け止められている。

そんな中、カナダのナショナルバンクは、国内のすべての下位選手に行き渡る大規模な救済策を打ち出した。これは、カナダ国家の国民に対する救済策の理念とも合致している。

カナダテニス協会が発表したのは、1人当たり1万から2万カナダドル(約76万円から152万円)の援助金をナショナルバンクから支給するというものだ。金額は、それぞれの選手のランキングによって決められる。

援助金はシングルスランキング100~750位及びダブルスランキング25~100位の選手に支給される。さらにこの救済策では、ATPジュニアランキングでトップ100に入っている選手と、ITF車いすテニスランキングでトップ50位内の選手も対象となる。

テニス選手たちが政府主導のこうした救済策を受けられることは大変喜ばしいことだ。苛酷な経済状況に置かれ、救済を必要としている選手たちがいる。この負担をテニス協会だけに背負わせず、今回のような救済方法が考えられるべきではないだろうか。

※為替レートは2020年5月15日時点

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「ATPカップ」でのチーム・カナダ

(Photo by Mark Metcalfe/Getty Images)