今季リーグ最高勝率を記録したレンジャーズが、ポストシーズン敗退の危機に瀕している。地元紙は敵地での第3戦に先発する元広島の右腕コルビー・ルイスに「一縷の望みをかける」と伝えている。■負ければ敗退の一戦で先発、「ルイスこそがその役目に適任」 …

今季リーグ最高勝率を記録したレンジャーズが、ポストシーズン敗退の危機に瀕している。地元紙は敵地での第3戦に先発する元広島の右腕コルビー・ルイスに「一縷の望みをかける」と伝えている。

■負ければ敗退の一戦で先発、「ルイスこそがその役目に適任」

 今季リーグ最高勝率を記録したレンジャーズが、ポストシーズン敗退の危機に瀕している。ワイルドカードゲームを勝ち上がってきたブルージェイズとの地区シリーズ第1戦をエース左腕コール・ハメルズで1-10と大敗で落とすと、第2戦のダルビッシュ有も5回を投げて4被弾を含む5安打5失点と炎上。3-5で敗れて2連敗となった。本拠地2試合で王手をかけられるというまさかの展開となったが、地元紙は敵地での第3戦に先発する元広島の右腕コルビー・ルイスに「一縷の望みをかける」と伝えている。

 ルイスは昨季、レギュラーシーズンで17勝(9敗)を挙げる活躍を見せたが、同じ地区シリーズでブルージェイズに2勝3敗で屈したポストシーズンでは先発機会がなかった。第4戦で3回から中継ぎ登板し、3回3安打1失点で降板。地元紙「ダラス・モーニング・ニュース」では「昨年のポストシーズンでは、レンジャーズはルイスを先発させる機会を用意できなかった」と振り返りつつ、「今回、この選択ははっきりとしている。決してルイスに昨年出番がなかったことを詫びるための起用ではない、とバニスター監督は語った」と報じている。

 今季、ルイスは19試合に先発して6勝5敗、防御率3.71の成績をマーク。また、ポストシーズンでは過去9試合に登板(8先発)し、4勝1敗、防御率2.38という好成績を残している。

「感傷的になっている余裕はない、レンジャーズは何としても白星を望んでおり、バニスターはルイスこそがその役目に適任だと信じている」

■「日本でのプレーを決めたことと同様に、活躍する機会を与えられたということ」

 記事では、このように説明。ジェフ・バニスター監督が「ルイスがこの役目を担うことになった理由は…今年の働きぶりによるものだ」と話したことも伝えている。また、ルイス自身も「重荷だとは感じていません。良い機会をもらった、という感じです。日本でのプレーを決めたことや、自分のキャリアで起こってきた他のことと同様に、活躍する機会を与えられたということだと思っています。それを胸に挑みます」と決意を明かしたという。

 ここまでの2試合では、レンジャーズ自慢の「ダブルエース」がブルージェイズの強力打線に屈した。自身初の1イニング3被弾を含む4本塁打を浴びたダルビッシュは、試合後に通訳を介して「今日は速球に頼り過ぎたのかもしれない」と振り返ったことを、地元メディアは伝えていた。「ダラス・モーニング・ニュース」も「ブルージェイズの打者は速球を捉えることでレンジャーズを打ち破ってきた。バニスター監督も、直球の選択に関してミスがあったと認めている」と指摘。ただ、これがルイスの投球を生かすことになるという。

「この事実は、ルイスに魅力的な選択肢を与えることになる。強打の右打者が揃うブルージェイズ打線相手に、ルイスは88マイルの速球を効果的に使うこともできるが、スライダーを多用した攻めをしていくだろう。スライダーはルイスにとって頼れる球種だ。(データサイトの)Brooksbaseball.netによると、ルイスのスライダーの被打率は.249となっている」

 記事ではこう紹介した上で「コルビー・ルイスは未だかつてないほどに、頼りにされている」と締めくくっている。悲願の世界一へ、かつて広島でも活躍した右腕が望みをつなげるだろうか。