9日、ヤフオクドームで行われたパ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの第2戦は、ソフトバンクが4-1でロッテに勝利。2連勝で12日に開幕するファイナルステージへとコマを進めた。■前日と同じ展開で勝利、「これは逆転できる…

9日、ヤフオクドームで行われたパ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの第2戦は、ソフトバンクが4-1でロッテに勝利。2連勝で12日に開幕するファイナルステージへとコマを進めた。

■前日と同じ展開で勝利、「これは逆転できると思っていました」

 9日、ヤフオクドームで行われたパ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの第2戦は、ソフトバンクが4-1でロッテに勝利。2連勝で12日に開幕するファイナルステージへとコマを進めた。

 まるで前日のリプレーだった。初回、清田育宏の2試合連続先頭打者ホームランでロッテが1点を先制。ソフトバンクはロッテ先発の石川歩の緩急に手を焼くも、4回裏に明石健志がレフトへ同点打。続く5回には、先頭の髙谷裕亮の二塁打を起点に本多雄一の勝ち越し打で1点のリードを奪う。さらに8回には前日のヒーロー・今宮健太が満塁から2点タイムリーを放って試合を決めた。バンデンハークは2回以降、粘りの投球で6回1失点。7回からは岩嵜翔、スアレス、サファテのパーフェクトリリーフで締めくくった。

 試合後、工藤公康監督はお立ち台に上がり「昨日と同じパターン(初回被弾)で、これは逆転できると思っていました」と語って満員のファンを盛り上げると、「(期待に)120%応えてくれた」と選手たちを称えた。

 その後は報道陣に囲まれる定例の会見。落ち着いた様子で「やっぱり先制されたのは痛かったけどね」と、本音を漏らしながら「石川くんが緩急を使いながらいいピッチングをしていたので、よくチャンスを作って(得点を)返してくれたなと思う」と語った。

■石川対策で明石を起用、「バッティングの感じがすごく良かった」

 前日の福田秀平に代えて、この日は明石健志を7番で起用。その明石が2打席目で殊勲の同点打をレフトへ放ち、残る3打席もすべて四球と全打席での出塁も果たした。明石の起用について、指揮官はこう語っている。

「バッティングの感じがすごく良かったし、逆方向を意識してやってくれていた。いい打球も飛ばしていたからね。追い込まれても逆方向に打ってくれるかな、と。(石川のような)コントロールが良くて緩急のあるピッチャーには、逆方向の方がヒットの確率は高くなるかなと思った」

 また、5回の勝ち越しのシーンでは、無死二塁から1番の中村晃に送りバントのサインを出した。

「(髙谷が)サードに行けば相手バッテリーもいろんなことを考えなきゃいけない。あそこは本多くんが緩い球をよく打ってくれたと思う」

 過去、ファーストステージ無敗を誇ったロッテを、2試合で破ってのファイナルステージ進出。試合後には、ロッテの伊東勤監督が工藤監督に歩み寄って握手を交わすシーンも見られた。

■「ここに戻って戦うために」、札幌決戦も「一戦必勝で戦う」

「先発とリリーフを余計に使わなくて済んだのは良かったなと思う。このままの勢いというのもあるし、ロッテさんも強かった中で何とかウチが勝つことができたので、その分の思いも背負って、いい戦いができるようにしたい。ロッテのファンの人は、あの人数でウチの声援に負けないくらいの大きな声援をする。素晴らしい声援だったので、そういう人たちの思いも含めて『がんばってくるよ』という気持ちはあるし、伊東さんにも『がんばれよ』と言っていただいたので、しっかりとウチらしい野球をやりたい」

 札幌では日本ハムにアドバンテージの1勝があり、それを含めて先に4勝した方が日本シリーズに進出する。

「札幌でも、1試合1試合、一戦必勝で戦うしかない。負けたとしても、勝ったとしても、しっかり切り替えて次の試合に臨む、気持ちの切り替えが大事かなと思う。もちろん、ここ(ヤフオクドーム)に戻って戦いたいという気持ちはあるし、そのために日本ハムさんと戦うので、その強い気持ちをもってやりたい」

 日本シリーズ開幕の舞台が、広島、東京、横浜のどこになるのかはわからないが、札幌がその舞台の経由地となるように、工藤ホークスは11日に福岡を旅立つ。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura