テニス界のスーパースターであるロジャー・フェデラー(スイス)と、アメリカン・フットボールのスター選手で先頃引退したイーライ・マニングが、ニューヨークで新型コロナウイルスと闘う医療従事者に特別なメッセージを送った。英Express紙が伝えてい…

テニス界のスーパースターであるロジャー・フェデラー(スイス)と、アメリカン・フットボールのスター選手で先頃引退したイーライ・マニングが、ニューヨークで新型コロナウイルスと闘う医療従事者に特別なメッセージを送った。英Express紙が伝えているニューヨークではこの感染症による死者が2万人を超え、医療従事者たちはその患者数に圧倒されている。ニューヨーク・プレスビテリアン病院に勤める救急診療看護師であるクリスティアンヌ・カルドロンさんは、現場で日々直面する苦闘について、アメリカのスポーツ専門局ESPNのインタビューで語った。

二児の母であるカルドロンさんが、同僚たちと夜を徹して患者の命を救うために尽力している様子も映された。

「何もかもがあっという間です。亡くなった方のために悲しむ時間もありません、次の患者さんが待っているので。こんなに患者が押し寄せて、息をつく間もないことなど、経験したことがありません」

カルドロンさんはテニスの大ファンで、診療にあたる時の心構えをアスリートに例えた。「負けたくないんです。今の状況をスポーツにたとえるなら、患者さんをICUから出すことが勝利です。あるいは、人工呼吸器のチューブを外すこと。それが勝利です。私はいつでも勝ちたいので、ほんの小さな変化でも、良い方への変化であれば、それを勝利と考えて祝っています」

カルドロンさんがESPNのキャスターとリモートで話している最中に、突然のサプライズで画面にフェデラーが現れて、次のように言った。

「人々はアスリートをスーパーヒーローだと思っている。でもクリスティアンヌ、あなたのような人もそうだ。あなた方は、本当に命を救っている。この世の中に変化をもたらす仕事をされている」

カルドロンさんはフェデラーにお礼を言い、フェデラーの謙虚さを讃えた。その後、マニングもカルドロンさんに母の日のスペシャルメッセージを送った。

「良い母の日をお過ごし下さい。そしてあなたが感染症の最前線に立ち、日々身を粉にして働いて下さることに心から感謝します。それこそまさにヒーローの行動です」

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「全豪オープン」でのフェデラー

(Photo by Fred Lee/Getty Images)