本来なら「ATP1000 ローマ」が行われている予定だったこの時期。今年は新型コロナウイルスの影響のため行われていないが、ATP(男子プロテニス協会)がInstagramで過去の名プレーを紹介している。今回紹介されているのは、2016年大会…

本来なら「ATP1000 ローマ」が行われている予定だったこの時期。今年は新型コロナウイルスの影響のため行われていないが、ATP(男子プロテニス協会)がInstagramで過去の名プレーを紹介している。

今回紹介されているのは、2016年大会の男子シングルス決勝、アンディ・マレー(イギリス)対ノバク・ジョコビッチ(セルビア)でのプレーだ。

マレーは優位に試合を進め、6-3、5-3、ポイントは15-40と、チャンピオンシップポイントとなるブレークポイントを握る。

もちろんまだ諦めていないジョコビッチは、このプレッシャーがかかる場面でも、精度が高いショットを打ってマレーを左右に振ると、パワフルなフォアハンドのダウン・ザ・ラインでまずは1本ピンチをセーブしようと図る。

マレーはこの決め球をギリギリのところで返球するが、球はふわりと浮いてネット前で落ちるジョコビッチのチャンスボールに。更にマレーはコート左に追いやられ、オープンコートを作られていた。

ジョコビッチはマレーの右側の空いたスペースに打ち込むだけだったが、先ほどの決め球に追いつかれたことが頭に残っていたためか、逆を突くためにマレーの左側へアングルショットを打つ。しかしこれにも完璧に反応したマレーは、逆にオープンコートを利用したカウンターショットをお見舞い。たった一打でラリーの攻守を逆転し、同大会初優勝を決めた。

ATPはこのプレーを「こんな風に優勝を決められたら」と綴って紹介している。

マレーはこの年78勝9敗という驚異の戦績を残し、年末1位となった。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2016年「ATP1000 ローマ」でのマレー(右)とジョコビッチ(左)

(Photo by Claudio Pasaquazi/Anadolu Agency/Getty Images)